プリズム 4話 感想|足踏み状態が余計にそわそわさせられる…
この作品に原作はないんですが。
回を重ねるごとに、心の機微を描いた小説を、映像を通して立体化しているような
そんな感覚に陥ってしまうんですよねぇ…。
そしてそれは、心の機微を自然体に演じられる役者さんでなければ成立しない…とも言えます。
皐月(杉咲花)と陸(藤原季節)、白石(森山未來)の3人でおにぎりを食べながら
素で笑っているかのようなシーンも、
この素朴で幸せな時間がいつまでも続かない切なさを感じさせて印象に残ったんですけど、
個人的には、婚約報告を受けてついつい下を向いてしまう
耕太郎(吉田栄作)の様子が妙にリアルで。
返しが朴訥としている所なんかは"お父さん"らしいなぁ…と。
後でかなり台詞で描き起こされてはいたものの(笑)
あの下を向く演技だけで、自分の秘密や妻との関係性を娘に背負わせてしまった申し訳なさとか、
ゆっくりゆっくり噛み締めていく事で実感する娘の幸せとか、そこから得られる安堵の気持ちとか、
感情がグラデーションに変化していく様を味わえたのは、
流石ベテランの技だな…と思わされたのでした。
内容自体は、急展開だった今までとは違い、足踏み状態。
それが逆に、陸と白石の関係性を知り、皐月が大きなショックを受ける事になる
“前触れ"のようにも感じられて、そわそわさせられてしまいます。
あんなに理解出来なかった母の気持ちに寄り添えるようになるのも、時間の問題…。
ガーデンやテラリウムなど、基本的に自然に囲まれた中で物語が進んで行っているから
今の所癒されている"つもり"になっているだけで、
脚本家の浅野妙子さんが本気を出したら、ドロドロした展開が待ち受けているんでしょうねぇ。
あ、そうそう。
相手が望まないプライベートな事をベラベラ喋って
さり気なく嫌がらせしてきたあの女性社員の件は、
個人的にベタ過ぎて、あんまりそこの陰湿さで引っ張らないで欲しいな〜と思っていたので、
皐月の人となりをすんなりと理解してくれたのには安心しました。
全体的に雰囲気の悪い職場ではありますが、
チームワークが問われる作業に私情を持ち込まない所は良い。
そして…分からず屋の剛(寛一郎)に
「実家が嫌なんじゃなくて、あんたが嫌なんじゃない?」と
ズバっと言ってくれたのにはスッキリ案件でした(笑)