六畳間のピアノマン 3話 感想|「良い人になりたい」の真意
複雑な話だなぁ……………。
「普通の人として生きたい」じゃなくて「良い人になりたい」っていうのが
モヤモヤした気持ちを生んでいるんだと思うわ。
(話の出来じゃなくて、登場人物の目線になって考えて…という意味で、モヤモヤ。)
秀人(原田泰造)が想像もしなかった過去の自分を見て精神的なダメージを受けて、
これ以上は抱えきれなくなりそうだから目を背けたい…
“今"を大切に生きたいという理由も分かる。
でも、両親や遺族から見てみれば、厳しいがただの"逃げ"でしかない。
私がその立場で記憶喪失だと理解していても
もしかしたら「ふざけんな!自分と向き合え!」って怒るかもしれない。
この例えはちょっとズレてるだろうけど、
自分の落ち度や間違った考え方を指摘してくれているコメントを無視して、
良い所しか拾わない人と同じ原理だと思うから。
両親が捜索願を出さなかったのだって、ニュースで取り上げられるほど騒ぎになった影響で
個人情報を晒されたり、住所も特定されて誹謗中傷の張り紙や落書きで汚されたり、
職場や近所にも広まって生活しづらくなったり…
特に背景は語られませんでしたが、色んな事で散々辛い目に遭ってきて、
既に自殺したか、息子と勘当する勢いでそうなった気がするんですね。
どっちの気持ちも分かるだけに…この回は素直に受け止めきれませんでした。
ただ、誠(古舘佑太郎)を殺した張本人である秀人と、
誠含む同期達にお酒を提供した真治(上地雄輔)と、
その同期の1人からウォーターサーバーを購入した芳江(麻生祐未)が
子ども食堂に集うという世界は狭い的な設定はドラマあるあるでも、
3人には「たった1つの共通点がある」とは気づかせず。
自分の知らない所で誰かを救って、救われた人が今度はまた他の誰かを救って…といった
“人と繋がった思い出で生かされている"という描写に落とし込んだのが味わい深い。
特に真治と同期達のエピソードは良かったなぁ。
ピアノマンの話をしていたからサービスとして流したんじゃなくて、
世の中を舐め切っていた自分に申し訳なさを感じて、影響を受けて、
それが後に自分だけの店を作る原動力になったっていう裏話を聞けたのは熱かったですね。
次回でもう最終回。高校生の美咲(南沙良)メインのお話。
ここまで夏野誠という一人の男と関係している3人の物語が描かれてきたのを考えると…
彼女とはどう繋がっていくんだろう。
やっぱり、ピアノマン=自身の心の支えとなった憧れの人 とか?ですかね。