ナンバMG5 7話 感想|妹の為なら制服姿でも駆けつけるんで夜露死苦!
剛(間宮祥太朗)が市松高校に通っていると思い込んでいる吟子(原菜乃華)が
白百合高校に入学してしまう…という所から始まるので、
必然的に学生生活の描写も多くなりましたね。
最初は同姓同名の別人だと解釈したものの、
新任の生活指導教員から「家族じゃなきゃなんで同じ住所に住んでるんだ?」と言われて
モヤモヤするようになり、市松高校へ頭=剛を呼びに行こうとする吟子…
同じく剛の正体を知らない牧野(鈴木ゆうか)を何とか誤魔化そうと必死になりつつ、
吟子や市松のみんなのフォローもしてあげないといけなくなった伍代(神尾楓珠)…
ここら辺の一気に襲いかかってくる混沌っぷりには実に笑わされました。
そして同時に、この混沌っぷりが、"二重生活"から滲み出るギャップを描く上で、
私が見てみたかった理想的なエピソードにもなっていた気がします。
(長年ヤンキーだった人が急に普通の高校生を演じたら、
ボロが出てくるのが自然だと思うのでね…)
この手の作品は、秘密を隠し持っている主人公が
彼を知りたい、友達になりたいという純粋な興味で近づいてくる登場人物にピンチを感じ、
嘘を使って上手く切り抜けようと奮闘する姿を描く事で
予想もつかないコメディ部分や、正体がバレそうで危うい緊迫感が生まれると思っているので、
やはり、そのポジションに一番近い深雪(森川葵)を
もっと活かしてもアリだったんじゃないかな〜とは考えていたんですよね。
ヤンキーものならではの熱さのお陰で、今までもそれなりに面白味を感じながら
視聴してはいましたが、"二重生活"らしい描写はちょっと甘かった…というのか。
でも、今回は、終盤の喧嘩シーンとバランスをとるように、
学内での描写が増え、剛は生徒会長になり、
勉強会も開き、もちろん部活での様子も盛り込まれる…
そんな青春を謳歌する話もしっかり描かれました。
最初から今回のように両立した話に仕上がっていれば…とは思いますが、
試行錯誤を重ねたのち、ようやく1つの完成形を見た感覚を味わえたのは良かったです。
それにしても、喧嘩をする時はいつも特服姿だった剛が、
吟子(と牧野)を助けるためなら普通の制服姿で駆けつけるのも厭わない所には、
また涙腺がやられましたねぇ…。
ただ、そうなってしまうと、遠くからスマホで隠し撮りして
クラスのLINEに貼り付ける人が出て来るんじゃないか?という不安もありましたけど、
ハッピーエンドのままだった上に、
次回予告にも特にそこに言及した話が見られなかったのは意外でした。
でも、これじゃないにしても、生徒会長という立派な看板を掲げている以上は、
最終章辺りで大々的に掘り下げられそうな気はしていますが…どうでしょう。
剛が関口(岩男海史)の勉強している姿を見て、
普通の高校生活を送ってみたくなったように、
吟子は兄が生徒会長としても、部長としても気合いが入っている姿を見て
自分も普通の高校生になろうとイメチェンを図る。
状況や経緯は違えど、こういう、相手をリスペクトして
自分もそこに近づいてみようとする2人の変化を見ると、
やっぱり"兄妹"なんだなぁ…と微笑ましくなる話でもありました。