アノニマス〜警視庁"指殺人"対策室〜 1話 感想|"あるある"が詰まった刑事たち
SNSによる誹謗中傷をテーマにした作品は既にありふれているから、
よほどの事がない限り、話だけで差別化を図るのは恐らく難しい。
だから、サスペンスとして静かな緊張感に襲われるような演出で魅せて欲しいという所、
また、公式サイトには「クセの強いメンバーとともに〜事件を解決に導いていきます」と
書かれている通り、一人一人のキャラ立ちやチームワークによる面白さが
活きた作品にもなれば良いな…という所にも期待をして、初回を見てみました。
しかし、蓋を開けてみれば、主に回想が映画を思わせる
カット割りや映像になっていたのには惹かれたものの、
それ以外は、空回りがちな新人女性刑事とか、ネットに精通している若者とか、
“落ちこぼれ"が集って新チームが作られるとあるあるの倉庫室っぽい部屋が用意されるだとか、
過去に相棒を失いがちの主人公とか…
全体的に「なんかテレビ朝日でやりそうなドラマだな」という既視感が
強く残った印象で終わってしまいました。
誹謗中傷を扱った割には、犯人のアカウントの特定、
被害者家族の家の前に悪口だらけの張り紙が貼られるなど、
事件が解決するまでの"一連の流れ"を見せられているだけで、ここにも真新しさはなく。
登場人物それぞれの立場から「なぜその行為に至ったのか?」「なぜそう感じたのか?」と
“人物に変化をもたらすまで"の背景をもっと深掘りして欲しかったです。
それに、「クセの強いメンバーと共に」と言っても、
基本的には碓氷(関水渚)と2人で行動しているので、
その2人が"バディ"として活躍する作品に映って
他のメンバーは"ちょい役"で終わりそうというのもありますし…
初回から主人公の過去を台詞や回想を通して色濃く出していく辺り、
今後どう展開されるかはまだ分からない状態のまま書きますが、
誹謗中傷を扱ったふりした刑事ドラマになってしまいそうな予感もさせられました。
元も子もない事を書きますが、
お馴染みの設定ではなく、メンバー同士でのやり取りでその人の個性、チーム全体の個性を
際立たせる点では、福田靖脚本だったら。
(「緊急取調室」の雰囲気に引っ張られているのもありますが)
登場人物の二面性や、人間関係から生まれる"闇""憎悪"を描き出す点では
井上由美子脚本だったら、本作にもっとハマれたのかなぁと思います。
序盤でも書いたように、雰囲気や映像は悪くありませんし、
久しぶりに拝見した香取慎吾さんの演技に
以前にはなかった威厳が感じられたのが良かったので、
もう少し様子見するつもりではいますが。
月曜日は深夜に見ている番組があり、月9か月10のどちらかの感想を書く事にしているため、
本作の感想は初回のみとします。