病室で念仏を唱えないでください 4話 感想|人生において覚悟は必要不可欠…

 

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夫の見舞いに来ない妻・奈穂(中島ひろ子)を受けて

娘・沙織(美山加恋)が田中(片寄涼太)に言った言葉

「病気になると、見ないようにしてた家族の問題がはっきり見える」が、

身内で病気にかかった人がいる家族の心境の本質を突いているようで

かなり印象に残るものでした。

夫の命と介護生活を天秤にかけ、介護はしたくないと本音をぶつけるのも

リアルに感じられました。

 

「救う」とは何か?を知る田中の成長物語、救急救命士に入りたいと決意する

児島(松本穂香)のエピソードと、医療ドラマにおいてはベタな要素で

詰め込み過ぎなのは以前と変わらないものの。

今回は「入院している夫に会いたくない」という"変化"を恐れる妻の心理を描く事で、

「変化を受け入れられない者が、どう覚悟を決めて、どう一歩前に進んでいくのか」

という一貫したテーマが見えた気がして、

田中や児島、そして、過去に幼馴染を目の前で失う後悔を抱える松本(伊藤英明)にも

それが絡められたストーリーに仕上がっていたのが良かったです。

 

ベタとは書きましたが、ドジな研修医はいませんし、それぞれの登場人物の"その後"も

丁寧には描かれているので見易いです。

患者の話を綺麗事に終わらせない所にも好感が持てます。

だからこそ、「千手観音」だけでなく、主人公が僧侶と医師を掛け持っている事、

仏教の教えをもっと前面に出して"本作らしさ"を強調した作品にすべきだと思います。

今期は医療×再建ドラマや、がんや脳外科など珍しい題材を扱っているドラマが

乱立しているだけに、このまま埋もれてしまうのは勿体無い…。