モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜 6話 感想|お兄ちゃん、やっとこさ爆発。
SNSでぶちまけてきた闇がリアルをも蝕んでいく、俊祐(工藤阿須加)のお話。
3話終盤からその片鱗は見せてきた訳で、いずれ爆発するのが予告でも分かりきっていたから、
めちゃくちゃ焦らすじゃん…というやきもきした気持ちで見ていましたし、
前回のラストと今回のラストを直結させた方が
冗長感が薄まったのではないか?とも思いましたが。
まぁでも、まだ物に当たるくらいの爆発で留まって、ようやく発散出来て良かったですよ。
結果的には萌子美(小芝風花)の「大丈夫?」が逆鱗に触れたんですけど、
多分あのタイミングで声をかけられていなかったらもっともっと溜め込んで、
両親を突き飛ばすくらいはしていたかもしれないし。
おじいちゃん(橋爪功)だけは「やっと爆発出来たか」って顔をしていましたね。
「いい人」役を演じてきた俊祐ねぇ…。
これってある意味、家族にとってのバランサー的存在とも言えますか。
どこか抜けている父や、"評価"を恐れて焦っている母を宥める形で
変な方向に行かせないようにし、世間とはちょっとズレた妹も救う事で、
“俺がいなきゃみんなしっかり出来ない""自分が家族の状態を保たせている"という
優越感に浸っている部分はあったでしょうし。
小さい頃からそんな生き方をしていたお陰で、
無意識に自分が家族内で上位だと思い込んで見下している部分もあったんでしょう。
彼は何も悪くないし。爆発してしまうのも仕方ない。
妹を助ける事で今度は自分がクラスメイトから"変なヤツ"扱いされて、
仲間外れになってしまう可能性に怯える少年時代を送っていただろうから、
むしろ褒められるべきなんですけど…
両親(特に母)が萌子美中心に動いていた事が、彼をモンスターにしていったんですよね。
見えない使命感を押し付けられていなかったら。
せっかく素敵な彼女もいるのだから、外に目を向けた日々を送っていたら、
広い世界を知って生きやすくなったかもしれないと思うと、
家に囚われてきた俊祐の人生は…本当に切ないものがあります。
「萌子美の事を誰よりも分かっている」つもりでいるという立ち位置は母から俊祐に変わり、
萌子美には「物の気持ちが誰よりも分かっている代わりに、人の気持ちは全然分かっていない」
という欠点を突きつけてくる。
次回のあの展開は…萌子美にとってまた新たなターニングポイントとなるのでしょう。
初めて好きになった人・岸田(加藤清史郎)と上手く行くのか試されているとか。
ニヒヒ♪って笑う乙女な小芝さんが可愛らしいので…
こっちにも不運な出来事が訪れない事を願いたいですね。