星降る夜に 1話 感想|美男美女ではカバーし切れない「運命の出会い」
テレビから流れる音は劇伴のみで、環境音や
一星(北村匠海)から見た鈴(吉高由里子)の独り言、2人のやりとりなどは
数秒間無音の処理をするという、「おや?」とちょっと目を引くアバンから始まった初回。
その時の夜空が、CGで付け足したんじゃないかと思えるくらい星で埋め尽くされていた上に、
画面いっぱいに映されていたので、
一星がどんな人かを映像だけで分からせるのも含めて、
ああこれは、視聴後に余韻が残る良い作品になりそう…と期待が持てたんですが。
話が進んでいくごとに、“美しさ"の魔法にかけられただけだったのか…と
目が覚めるような内容になってしまっていた気がします。
肝心の「運命の出会い」ですが、これがまた、火10ドラマを彷彿とさせる
強引な見せ方だったんですよね。
ルッキズムに引っかかりそうなので、容姿についてはあまり言及したくなかったのですが…
さすがに受け入れがたいものがありました。
具体的に挙げるとするなら…出会って間もないのに、他人を勝手に撮りまくる。
人のキャンプ場に勝手に侵入して、勝手にお湯をもらって飲む。
許可も取らずに他人の首にマフラーを巻く。
何度もキスを交わす。
率直に言うと、イケメンだからドキドキするものなんですか?
これらの行為が、仮に不潔なおじさんだったら気持ち悪いって話になるんですか?
いやいや。その人自身にも場所にもグイグイ入り込んでくる時点で、
大多数の人は不審者扱いするはずで…(汗)
でも鈴は、至近距離でカメラに映されても、キスされても、
抵抗感をそこまで覚えていない様子で。
(耳が聞こえないのもあって)相手の声を無視、そして声を発さないとなると
余計に不気味な存在に映るでしょうに、それを「惹かれ合っている」風に魅せている所に
胸がゾワッとする感覚が残ってしまいました…。
内容自体も、鈴と一星の初期設定である"職業"をきっちり描き過ぎていて、
かえって軸のブレた作りになっていた気がします。
夜空をバックにし、「エモい」の象徴とも言えるレトロカメラでお届けする
ロマンチックなラブストーリー。
深夜(ディーン・フジオカ)を筆頭に、すっ転んで検査用の尿を思いっきり浴びるシーンや
マフラーに○ロ付いたんですけど…といった"ドジっ子"描写によるベタなコミカル要素。
産婦人科を舞台に、母の死を受けて命の尊さに改めて気づかされる、鈴の医療パート。
遺品からその人の"生きた証"や真実が見えてくる、一星の遺品整備士パート。
特に後者の2つなんかは、それぞれメインで、1本のドラマとして見たいと思えるくらいには
テイストが異なっているのも相まって、全部が全部、チグハグなんですよね。
そのためか、初回の時点では、手話を扱う意義があまり感じられないのも残念でした。
本作が「金曜ナイトドラマ」枠で放送されていたら、
「奪い愛、冬」「ホリデイラブ」の流れで(ドロドロ不倫なので、系統は違うんですけど…)
ツッコミドラマとして消化出来たかもしれませんが、
あくまでも正統派な「ロマンチック×胸キュン」で見せたいようなので…(汗)
う〜ん…「大奥」の最新話を見て、
そっちに専念したいかな?という気持ちが芽生え始めてきたので、
次回次第では視聴のみに切り替えるかもしれません。