ミステリと言う勿れ 7話 感想|"天使"は亡くなっていた…
(リアタイ時は途中からちゃんと視聴出来なくて。
後日見返してから雑感集に加えようと思って見たら…
これは書かずにはいられないでしょ…って事で、遅くなりましたが感想を投稿しました(笑))
うわーーーーっ!!こりゃ驚いた!!!
香音人(早乙女太一)の佇まいに浮世離れした感じはあるなぁとは思ってはいたけど…
よほど鋭い思考の持ち主じゃない限り、あの真相には気づきませんよ…(笑)
ネタバレも一切見かけなかったし、原作既読の方はうずうずして堪らなかっただろうなぁ。
で、前回の雑感で、おたまじゃくしの話をしている
陸太(岡山天音)のエピソードを挙げた件。
ピーターパンシンドロームに陥っているのかと思わせる描写が
印象に残って言及したんですが、
ある意味、それも伏線となって繋がる結末ではありましたね。
虐待や性暴力、そして、異常な環境の中での生活を続けていたら多重人格を作る。
さらに陸太の場合は…親を燃やして殺すという現実から、"命の恩人"だと信頼していた相手を
衝動的に殺した現実から逃れたくて、そうなってしまった。
一方で、同じく家庭環境にトラウマがあったらしい整(菅田将暉)には、
考えるとは何かを教えてくれる人が身近にいたので、普通の大学生へと順調に成長出来た。
せめて、生徒の指導よりも自分の株を上げる事に夢中な担任さえいなければ、
「同じ想いをして苦しんでいる子供がいるから助けなくちゃ」という想いを助長する事は
少しでもなかったのかもしれないけれども…
でもやっぱり、全ては家庭次第で人生が決まってしまうのだ…
これが俗に言う「親ガチャ」なのだと、その実態に心が痛むお話でした。
エピソード単体でも辛いのに、ほぼ同年代の菅田将暉さんと岡山天音さん演じる役で
「天国と地獄」で人生を対比させるものだから、余計に辛い気持ちにさせられましたね。
前回は、単純にカエル顔に見えるからキャスティングしたのかな?と思ってましたけど、
全てを見てからだと…二面性の演技も含めて、物凄い説得力があった気がします。
それにしても、もう本当に…今回の話は"優れた"話で………
内容で言えば、軸はちゃんとミステリーになっているものの、
親ではなくても教育してくれる大人が身近にいる事の大切さとか。
実際にニュースでバカな行為をして捕まった容疑者の映像を見て
「何やってんだ…」と思っていても、もしかしたらその容疑者の中にも
今回の天使と同じような境遇だった人がいるのかも…という
思考のヒントを与えられたりだとか(全肯定する訳ではないけど)、
社会派の要素も絡めて考えさせられる点で、余韻の強く残る仕上がりになっているし。
それと同時に、扱いようによっては盛り込み過ぎになりがちな
「今の主人公に至るまでのルーツ」=縦軸も、
さらっと絡ませて紹介してみせたのもよく出来ていました。
演出で言えば、香音人がいない現実をはっきり告げられてから、
まるで魔法が解けたかのようにセピアからダークの世界観に変わる所が
陸太の心境を物語っていて良かったです。
風呂光(伊藤沙莉)も含めた三角関係の描写に関しては、
最後のマフラーのくだりはやや蛇足な気がしなくもないですが、
それ以外は"重要な視点"になるように見せていて、上手い構成だなぁと。
ライカの場合は実に掴みにくい存在で。
今回のエピソードを通して未来が読める事を仄めかしたり、
整には見えて他の人には見えない事を紹介したりしているものの、
彼女が見えているという事は、少なからず一概に"幽霊"とは片付けられないんですよね。
恋愛要素は強めて欲しくないですが、彼女はキーパーソンにはなるのかも。
「考えて生きる」というヒントを与えてくれた整を見上げる
陸太の柔らかな表情と淡いライティングのカットにかかる主題歌。
今まで合わない合わないと散々ツッコんで来たのに、
今回は相性が良過ぎて涙が出ましたよ(笑)
4話の爆弾犯の回と肩を並ぶくらいの出来でしたね。
↓前回の雑感はこちら↓