緊急取調室(2021) 4話 感想|部長の思惑通りになったのが悔しい(泣)
普通の声からドスの効いた低い声に変わる緩急のつけ方とか、
本音を話せば話すほど痛々しい女性に見えてくる振り切りの大きさとか、
真壁(天海祐希)と対峙する事で徐々に感情が表に出るようになる
メアリージュンさんの演技には見入るものがあったんですが…
事件の内容的にはあんまりピンと来ない部分が多かったんだよなぁ。
三上(内村遥)への一方的な想いや、仕事で良いように利用されて手柄が取れない事など
途中の段階で読めていた動機がほぼその通りになっていて、
真相に捻りがない所に物足りなさを感じたのもあると思うんですけど。
(動機に嫉妬が関わっているのも、刑事ドラマにおいてはもう手垢のついた話ですしね。)
でも、それだけじゃなくて、なんで全体的にピンと来なかったんだろう…?と考え始めて
少し見返した結果、主治医・折原(甲本雅裕)と今回の事件の絡め方が
中途半端だったからじゃないかという気がしています。
本作を前々から見ている視聴者ならば、キントリチームだったら、
頼子(高橋メアリージュン)に聴取しながら
折原の秘密や本心を探る手法をとるだろうとも予想がつくはず。
だからこそ、頼子と、彼女を"庇って取り調べを妨げよう"とする折原の関係性を
もっと掘り下げて欲しかったです。
うーん…何と言うか、一応、10年前にも被疑者の主治医を担当した経験がある事、
「死なせてくれ」という言葉が被った事、2つの共通点を作って
彼女を庇う理由は描かれているのですが、
今回の展開だけでは、2人の被疑者が同じ事件の関係者でもなければ、
三上や社員に傷つけられた頼子を献身的に看病してきた過去もないのに
なぜ彼女の嘘に付き合ってまで優しく接するのかがよく理解出来ませんでした。
途中で吐いた「許さない…」という言葉が
何か彼女に対して深い思い入れ(復讐の念?)があるのだと思わされただけに、
今回の事件とは別のトラウマから来ているものだったと分かった時には正直ちょっとガックリ…。
せめて、男の被疑者を1人の患者として面倒を見ながら
カウンセリングしていくうちに距離を縮められた感覚を覚えたものの、
肝心の本音は聞けずに終わってしまった後悔を抱えていた…みたいな心情描写が
あの回想に加えられていたら、折原の言動も頷ける部分があったのかもしれません。
要は、真壁と小石川(小日向文世)による説明台詞だけで
彼が何者なのかをあっさり紹介した所に勿体なさを感じてしまったんですよね。
今シーズンのキントリは、役者の演技合戦においては満足していますが、
今の所、事件の内容や構成に少しの粗が残る回が続いている印象があります。
次回のvsロボットから醸し出る得体の知れなさに期待してみたいです。