推しの王子様 3話 感想|育てたいのか、育てる気がないのか…
前回は、気遣いはあれどまだ不慣れな航(渡邊圭祐)が可愛いって思えたり、
2人の関係性に癒されたりしたんだけど…今回はそういった感情は何も残らなかったなぁ。
本作のうたう「ロマンティック・コメディー」らしさが薄まって、
表面的な「お仕事ドラマ」を見ているようだった…と言った方が分かりやすいですかね。
担当者や要求がコロコロ変わる事も、ある意味"ファンタジー“の類に入れて
笑わせるつもりで描いたんでしょうけど、
実際の、特にサービスや商品を提供する業界からしてみたら
あるある過ぎてグサッと刺さりまくる案件なので…
経験者にとっては辛い気持ちが先に湧いてきちゃうもんなんですよ(汗)
航の有栖川(瀬戸利樹)に対する態度の悪さ、途中まで苛立っていた有栖川も含めて、
視聴者が見ていてストレスや不快感が溜まってしまう設定を盛り込むのは
本作には似合わないんじゃないかと思ってしまって。
シャボン玉とか、ランタンを持って助けに来た王子様とか、
理想の世界に"推し"を重ねる演出も悪くはないですが…
泉美(比嘉愛未)がスカウトした航に"推しと似ている"以外の、
せめて、彼の笑顔で周りが幸せになる…といった 魔法に近い内面的な魅力があれば、
それだけでもファンタジーとして成立しそうな気がするんです。
このまま外見の良さで押し通すのは、物語的にも、コンセプト的にも
ちょっと無理があるのかも。
十蔵(船越英一郎)のビジネス書を読んだ航のお陰で
「ユーザーの目線に立つ大切さ」に気づかされるくだりにしても、
そりゃあその業界なら当たり前だろ!って話で、
ヒット作を手がけたスタッフの誰もそこに触れないのも不思議ですし。
そして、前回の感想にも似たような事を書いたんですが、
理想の男性に育てる話の割には、泉美の育て方が中途半端なんですよねぇ。
子供が夏休みの宿題をサボって遊びまくるのと一緒で、
全く興味が湧かない専門用語の暗記を押し付けられたら面倒くさがる訳で。
大体…なんで自社製作のゲームをやらせないのか(笑)
まずは遊ばせた方が、ゲーム内に出てくる「ログインボーナス」とか「課金」とか
そういったワードを自然と覚えられそうなのに、
プログラマー志望なのか、デザイナー志望なのかも不明なまま
専門外の人も分からない難しい用語を覚えさせるって、
優先順位が逆としか言いようがないでしょう。
そんなこんなで、「ロマンティック・コメディー」にも「育成」部分にも
疑問が残る1時間なのでした…。
十蔵もまだ何か企んでそうなのが不安だなぁ。
ギスギス要素よりかは、ファンタジー要素を強めて欲しいです。