病室で念仏を唱えないでください 6話 感想|幸せでいて欲しい人
率直に言うなら、今まで見てきた甲斐があったなぁ…と思うくらいには、
出来映えに満足させられたお話でした。
憲次(泉谷しげる)、藍田(堀内健)、洋平(吉沢悠)と、複数のエピソードを
詰め込んでいく作りは相変わらずなものの、今回は「ただ詰め込んだだけ」ではなく、
それぞれのエピソードに意味があると納得させられる内容に。
少し具体的に書くと、藍田の「患者になってみて初めて分かった」などの言葉に
松本(伊藤英明)が感化され、憲次ももしかしたら強がっているのかも…?と思い
肺がんについて調べてみるアクションをとり、
同じような状況下にいる洋平に対しても誠心誠意向き合い、最後に憲次の家に訪問…
という流れが、構成的にも主人公の心情変化においても無駄なく
スムーズに構築されていた印象を受けました。
藍田のエピソードは中の人の事もあり、今回の"崩し"的役割になるのだろうと思っていましたが、
(病人なので、"崩し"という表現を使うのも申し訳ありませんが…(汗))
キーパーソンになっていたのが意外で、上にも書いたように
自身が患者になった率直な気持ちを松本に伝えるシーンには興味深く見入りました。
初回の頃は「医者と僧侶の兼業ってなんじゃそりゃ?」みたいな異質さを漂わせていた
僧医という職業も、サイの話を含めて最も活かせてますね。
普通の医者だったら目の前の患者に言わないであろう「死ぬ」という言葉も、
僧侶もやっている松本に言われたら有難い訳で。
自暴自棄になっていた洋平の目に光が再び宿り、
医療ドラマでお馴染みの「笑顔で退院」エンドに相応しい
生き生きとした表情を三宅(中谷美紀)に見せる、吉沢悠さんの演技にもやられました。
今回は、1本の物語、個々のエピソード、役者、主人公らしさ、全てにおいて良かったです。