少年寅次郎 2話 感想|人情深い"あの"寅さんになったのも納得出来る…
今回は、光子(井上真央)や平造(毎熊克哉)との関わりで何かを感じ取ったり、
二人の様子を後ろから見たりする寅次郎(藤原颯音)のカットが多かったので、
彼にとって「思いやりとは何か?」「大人の抱える複雑な心境とはどんなものか?」
を学ぶ回になるのかなぁと思いながら見ておりましたが。
戦争当時の背景も絡めて、まさかそんな想いが芽生えるとは…という切なさが
寅次郎の表情から込み上げてきてしまいました。
子供が思った以上に周りに敏感である事は
本作だけでなくどのドラマでも描かれたりするもの。
ですが、ほんの興味で土手に行き、燃えている向こう側の町とすぐ上を通る軍用機に
ただただ見とれる寅次郎の姿は、自分の無力さを知り、
このままスッと消えてしまうのではないかと自然と感じ取れてしまうような
ショックの大きいシーンでした。
しかし、戦地へ出征し家を出て行く家族、亡き兄、戦況下で緊迫した日々を過ごす毎日と
シリアスな展開が続いた分、光子からの愛情たっぷりの抱擁には、
寅次郎と同じように嬉し涙が…。
他にも、兄・昭一郎(村山陽央)との最期の会話にも泣いてしまったり、
逆に序盤ではムードメーカー的存在として明るく振る舞う寅次郎に
何度もクスッとさせられ、この愉快な日常がずっと続けばいいのに…と思わされたりと、
見所があり過ぎて言葉で上手く伝えられないほど、
終始登場人物に心が揺り動かされっぱなしでした。
やっぱり、「間」がとても素晴らしいと感じられるドラマは良いドラマ。
向こうの世界の空気や時間が、こっちにも伝わってくるような感覚を覚えます。