妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪- 4話 感想|重圧に耐えきれなかった編集者の暴走
本作の初回"のみ"が前作と同じ1時間での放送だった上に、
「実は闇堕ちしていた妖怪の霊を払って救う」という構成が次の「のっぺらぼう」編でも
そのまま取り入れられていて、かつ前後編(30分×2)に分けられるとなると、
やっぱり痛快劇まで含めた話を楽しんでいた者としては
前編だけでは物足りなさは出てくるし、1時間が良かったのに…などと
前作と比較せざるを得なくなってしまうため、
2,3話を見た後に感想を書くのは止めにして、気軽に楽しもうかと考えていたんですが。
今回は「お?面白かったかも」と思える所があり、初回ぶりに書く事にしました。
1,2話では、既に闇堕ちしている妖怪が人間に扮装して澪(小芝風花)に出会い、
鈍感な澪を騙していく…という
いわゆる"アフター"の段階から始まる話になっていたのに対して、
今回は、普通の妖怪だった小豆沢(岩崎う大)が闇に取り憑かれて
変化して行ってしまうまでの過程を描いた"ビフォー"の話になっていた。
個人的には、4話(エピソード3)で早速ワンパターン化を回避する展開を持ってきた事が、
早く次回を見てみたい気持ちにさせられた大きな要因でした。
そして、久々に感想を書く気になったのは、前作の片鱗が見えたから…でもあります。
もう少し具体的に書くとすると、人間に扮装した妖怪なのは
名前からして「小豆洗い」を連想させる小豆沢だろうとは分かるんですが、
彼に嫌味を言う立ち位置で、もう1人妖怪に見えてくる…
いや、こっちの方が妖怪なんじゃないかと思える編集長・上(安井順平)がいるんですよね。
でも、彼は本当にただの人間で、ほんのからかいのつもりの言葉で
部下に重圧をかけていくだけの存在として恐らく終わる。
いつも不機嫌そうにしていて、日々部下を萎縮させる言葉を吐き続ける
上司の資格もない彼の様子が、心苦しくなるほど生々しく、かつコミカルに描かれていた所に、
前作の特徴の1つであった「ダメンズを成敗する勧善懲悪」の面影を感じさせたのはもちろん。
小豆沢が闇堕ちするきっかけも何も特殊なものではなく、
誰にでも共感出来そうな、他人からかけられる日常的なストレスから来ている…
そんな過程を今回でじっくり描写する事で、
「本当の悪は妖怪ではなく人間」というささやかな皮肉を残していた作りになっていたのが、
ブラックジョークっぽさもあって面白かったです。
で…小豆沢が闇堕ちした状態から、
次回予告が藤原道真やら、AI対決やら、いろいろと盛り沢山な感じなんでしょう?
予告だけでも想像の斜め上を行き過ぎていて、展開が全く読めません(笑)
後半の30分でまとまるかどうかは若干不安ですが、
解決編の次回でどう落とし込むのか楽しみになってきたのには間違いありませんね。
5/10追記:
こちらもリアルタイム(5/7)で5話を視聴。
何だか…前編で期待値を上げる仕上がりになっていた割には、
後編は"起承転結"の"転"ではなく、いきなり"結"に行った
あっさりとした終わり方だったような。
そして、「闇堕ちするまで」の物語の描写を重視した結果、
いつもの妖怪たちの愉快さや癖の強さが薄らいでしまい、
少し物足りなさも覚えてしまいました…。
前編の感想を書いておいて申し訳ないんですが、
やはり今後は、気軽に楽しむつもりで見た方が良さそうです。
という訳で、感想は今回で最後とします。
↓一応…初回の感想はこちら↓