ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇 4話 感想|誰かに必要とされたい…という真理
椛谷(野間口徹)に続き、下馬(野村周平)が現在の状態に至るまでの
背景の深堀りから始まった今回。
前回でも感じましたが…やっぱり、この冒頭から始まる構成が、
本作が描こうとしている方向性にぴったりはまってるんですよね。
本当に、回を重ねるごとに面白くなっています。
「自分にしか出来ない仕事なんてない」からの
「あなたで良かった。そう言われる仕事ならきっとある」
これって、仕事をしている人なら誰だって言われたい言葉でしょう。
最初は希望に満ち溢れていたのが、不慮の出来事や度重なるミスがきっかけで
“代わり"はいくらでもいるという現実を突きつけられ、
そこから自信喪失になって行くのって…
下馬じゃなくとも経験した事はあるかもしれません。
そして、それはユーチューバー・カマドウマ(大木空)も同じで、
自分の居場所がなくなっていくのに憤りと孤独を感じていた。
下馬の実家の介護パートもあり、描く要素が割と盛り沢山だったにもかかわらず、
2人の境遇や下馬のお仕事パートと合わせて
“承認欲求"の話に繋げるまでの流れが、とても綺麗にまとまっていた内容でした。
介護パートについても、根性論で片付けるんではなく、
行政の力を借りて前向きに考えてみようという
実に現実的な着地点に落ち着いていたのも良かったですし。
下馬が昼間も撮影している意図を聞いて肯定したり、
アドバイスを考慮して違う調査方法を考えてみたり…といった、
「あなたで良かった」と瀬古(黒木華)が声をかけるのも頷ける、
ある意味謎解きの"手がかり"みたいなものが散りばめられていた作りも
丁寧だったと思います。
最もやる気のなさそうだった下馬を絡める形で、"お仕事ドラマ"としてもしっかり成立。
前回で心に光が灯った椛谷が、彼に「編集長が振ったんだから
お前が最後まで責任取らないとダメだろ」と鼓舞するやり取りに加えて、
今までの話の流れでチームワークも深まっていて、良い感じですね。
(信憑性がどうもなさそうなんですが(笑))瀬古の過去や、仁和と謎の女性との関係性、
笹目(筧一郎)の描写と、曖昧だった部分も徐々に動き出してきました。
ただ、強いて言うなら…やはり脚本家の複数体制が影響しているのか、
回によって雰囲気の温度差が微妙に違っている感覚がするのが気になる所かなぁ?
設定自体もイレギュラーでしたよね。
瀬古が何かぞわぞわするものを感じて自ら動いていくパターンではなく、
仁和(安藤政信)の指示で動くというパターンだったし…
まぁそこは変化球だと思えば何て事ないんですけども。