俺の家の話 9話 感想|能か?プロレスか?それとも…
ガールズバーの話をしたら心拍数が上がった!と喜び、
踊介(永山絢斗)が芸を披露すると言ったら心拍数が下がった!と落ち込み、
一喜一憂する観山家…
ドキドキしながら見守りがちの心拍数の変化をブラックな笑いに変えちゃうなんて、
コンプライアンスにうるさい今の世界じゃ早々難しいですよ(笑)
ドリフのお笑いを見ているようでした。
ふざけた方向に偏ってしまうと、ちゃんと現実と向き合ってもらうよう
位置を元に戻してくれる医師がいるから、
際どいくだりも安心して見られるんですよね。
そして、「きもったま!しこったま!さんたまーー!」と
能一家と幹部達が一丸となって、寿三郎(西田敏行)の奇跡を待つ図には目頭が熱くなる…
ばかばかしさの中には、飾り気のない"愛"がこもってる。
今回はいつも以上に、笑って泣いて、感情が忙しかったです。
で、明かされる事のなかった二十八世の継承問題については…
寿限無(桐谷健太)に継いでもらう、と遺書に残している気がするんですよねぇ。
その想いには、自分が優柔不断だったせいで彼の未来を奪い、
“家族"としても長い間関係を共に出来なかった申し訳なさとか、
小さい頃から稽古に励む姿を見てきて、その腕前の良さに期待している部分だとか、
いろいろ込められていそう。
ここ数ヶ月間大きな苦悩を味わった寿限無を思ったら、その答えでもアリなのかなって。
本当は寿一(長瀬智也)に継いで欲しい気持ちもあるんだろうけど、
ブリザード寿の特集が載っている雑誌に大事そうに付箋が貼ってあったのを考えると…
彼にはプロレスの方が合っているのも分かっているのかも…ですね。
一度は辞めたプロレスの世界に結局戻ってくるほど大好きだし、
その道を極めた方が、能面のような殺気を放つ事もなくなって、
寿一は目の前にいる大ファン=父の想いを胸に、再びプロレスに打ち込み、
二十九世は秀生(羽村仁成)になり…そんな流れだと勝手に想像してます。
でもなぁ…もう1つ気になるのは「離見の見」の描かれ方。
父の座につく能楽師姿の寿一を、私服の寿一が遠くから見守る図…
なんか、一瞬「幽霊かな?」と思ってしまいましてね。
そう思うと、「離見の見」的なポジションにいる寿一のナレーションも
自身の伝記を紹介しているんじゃないかという気もしてきました(汗)
「奇跡は一度だけしか起こらなかった」
の台詞の時に映った寿三郎の表情は、そんなに病状が深刻そうでもないんですよ。
親の死に目に会えなかった…という"現実"に踏み込むパターンになるんでしょうか。
どうなんでしょ。