にじいろカルテ 1話 感想|医者で患者は最強説?

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もらったりんごを齧ったのが合図だとして、夢の国に誘(いざな)われたかのような…

かといって「癒される」というワードでは片付けられなくて、

時々チラつかせる"影"に地に足がつかない感覚を覚えるような…

世界観の強そうな主題歌も相まって、終始「不思議なドラマだなぁ」と思いながら見た初回でした。

 

上層部と権力を争ったり、失敗しない某スーパードクターが出てきたりして、

その痛快でキャッチーな話見たさに特定の視聴者層に支持されているイメージのある木9枠で、

こんなにファンタジーな雰囲気の作品を持ってくるのは結構な"賭け"だと思いますし。

テレ朝っぽくはないんだけど…

かと言って、フジかTBSが作りそうか?と言われたらすぐに首を縦にも振れない感じで、

かつて金曜ドラマナイト枠で放送されていた「僕とシッポと神楽坂」があるくらいだから

きっと"テレ朝の作品"ではあるのでしょう。

(強いて言うなら、ジャンルの幅広い作品を生み出す傾向にあるテレ東深夜枠で

放送されていてもあり得そうな気はしたけれども。)

 

ちなみに、監督は「僕とシッポの〜」を担当された深川栄洋さん。

予告映像の時点で既に「ぽいなぁ」とは感じていたので、

その作品を思い浮かべながら見る事になるんだろう…というのは予想はついていたものの…

まさかそれ以上に「Dr.コトー診療所」やジブリらしさを覚えたのはちょっと意外でしたね。

村社会の設定でさ、(行った動機は違うものの)雨の中山奥で倒れて治療される

たけひろくん的エピソードでさ、しかも光石研さん&泉谷しげるさんのキャスティングは…

どうしても「コトー」を思い出さずにはいられませんし(笑)

劇中に時々出てくる女の子は、視聴者をこの世界に引き寄せる

案内人みたいな描かれ方をしているような。

こんな感じでいろんな作品と重なりはするんですけど、みんなちょっとずつ違っているから

既視感がある訳ではなくて。

そこが「不思議なドラマだなぁ」と思った原因なんだと考えてます。

 

ただ、1つだけ分かったのは、

「医者で患者は最強」をテーマにしたいんだろうな…という事。

真空(高畑充希)が村に引っ越すまでの流れを見てからだと、

この言葉に「医者は専門的知識を持っていて憧れられる存在だけど、

“傷"も抱えているから"普通の人間"と同じ身近な存在にもなれる」という

作り手の描きたいメッセージが集約されているのがよく伝わってきました。

 

最初は、このご時世に医療を取り扱ったドラマで、

なんでファンタジーな雰囲気に?と思いましたが、

最前線の現場で戦う中、精神的に疲弊したり、時には誹謗中傷を受けたりする

医療従事者に対しての「そんなに強がらなくていいんだよ」という

ある種のエールを送るために作られた作品なのかもしれませんね。

 

真空や雪乃(安達祐実)に今後大きな展開が待ち受けていそうですが、

岡田脚本なので、どん底まで暗くなるよりかは

ほんの少しの希望が持てる結末になるんじゃないかと。

通常運転となる次回にも期待します。

 

ところで、子供が提供を読むのにはほっこりとさせられて…

つぐみちゃんにも読んで欲しいなぁって思ってしまいました(笑)