君が心をくれたから 1話 感想|なぜ好きになったのか?が大事なのに…
他の感想でも何度か書いているかと思うんですが…
個人的に恋愛ドラマで何を重視しているかって、
「なぜその人を好きになったのか」が分かる説得力のある描写なんですよね。
それが過不足なく、視聴者にきちんと伝わるように描けていれば、
たとえ設定や展開がベタであっても、登場人物への共感度が増して
自然と応援したくなってしまうものですし。
逆に不足していれば、展開のスピードの速さだけが目立ってついて行けなくなってしまう。
ドラマ全般でも言える事ではあるんですが、
近年の傾向を考えれば、特に「両想いになった2人=物語のゴール」になりやすい
恋愛ドラマにおいては、"過程"が最も大事になってくる気がするんです。
この点を踏まえた上で、本作はどっちだったかと聞かれれば…
残念ながら、後者を選ばざるを得ませんでした。
理由は簡単で、とにかく時間軸の移動が激し過ぎるんです。
時間を前後させる手法は、頭の整理が中々つかなくて元から苦手ではあったのですが、
本作の場合は、雨(永野芽郁)の置かれた状況と太陽(山田裕貴)の置かれた状況、
さらには過去のエピソードまで盛り込むもんですから、
正直、情報量がパンパンでついて行けなかったんですよね。
内容をふわっと振り返ってみれば、「なぜその人を好きになったのか」が
全く描けていない訳ではないのですが…
上記で挙げた要素を細切れで見せていたために、
1つ1つがとても淡白に映って、印象には残りづらい。
いや、全く描けていない訳では…とは書いたけれども、
「俺(私)、好きな人のためにここまで全力でやってます!」みたいな
熱量たっぷりの台詞や動作で惹きつけようとするばかりで、
心情描写も追いついていなかったのかな。
とにかく、展開のややこしさと諸々の説明不足が物語の没入感の欠如を招いてしまっていて、
本当に勿体なかったです。
月9の初回が30分拡大なのは通常運転ですし、今後も変わる事はないでしょう。
だからこそ、まずはじっくり拡大分を使って学生時代のエピソードから掘り下げていれば、
太陽が雨に一途なのも、雨が太陽のために心を捧げようとするのも
もう少し理解出来たのかもしれません。
本作の言う"心"の概念については、公式サイトではこう書かれていて。
今作は、永野さん演じる主人公・逢原雨(あいはら・あめ、26歳)が、愛する男性、朝野太陽(あさの・たいよう、28歳/山田裕貴)のために自分の“心”を差し出す宿命を背負うことから始まる、過酷な「奇跡」が引き起こすファンタジーラブストーリー。
事前にこの文章を読んでいて、てっきり、"心=思考・気持ち・感情"を失った
ロボットのような主人公・雨が、太陽との関わりを通して
人間らしい心を徐々に取り戻していく話だと思い込んでいたので、
“心=五感"は同意義にはならないんじゃないかと困惑していたのですが
(五感はそこまで思いを巡らせなくても使えるものだから…という認識)。
まぁでも…見えなくなって、聞こえなくなって、感覚が分からなくなって…と
出来る事が1つずつ減ってしまえば、自ずと考える事を諦めたり辞めたりするだろうから、
それが結果的に「心を失う」に繋がるのかな?と言い聞かせて、なんとか納得。
近年の月9だと…と言うべきか、
後ろが空いているにもかかわらず、なんでわざわざ人混みの中を選ぶんだとか、
高速バス停の近くでカウントダウンイベントをやっているのは変だとか、
なぜか所持している爆竹を投げるのは犯罪だとか
いろいろ不自然な部分もありましたし(苦笑)
ここまで書いてきたように、2人の関係性の掘り下げが弱いのは
恋愛ドラマとしてどうなんだろうか…という気持ちではいるんですが。
ただやっぱり、永野芽郁さんと山田裕貴さんの組み合わせは魅力的ですし、
永野さんが1つずつ五感を失うという難しい役を、
中でも、映像では伝わりにくい嗅覚や味覚を失っていく様を
どう演じるのかには興味があるので、最後まで見続けるとは思います。
ただし、感想は…来週から始まる「春になったら」次第かな?
それにしても、今期の月曜ドラマはどちらも系統が被ってしまってますね。
ファンタジーとうたうんだから…もう少し可愛らしいか、うっとりする内容だったら
「月曜から暗そうだから」と言って離れる視聴者も減ったかもしれないのに。
P.S.
あと超余談で…この感想が2024年初投稿となるんですね。
(書きかけの感想記事があったもんで…書き残したい事があるから完成させなきゃな。)
辛いニュースがあり、今年はお正月のご挨拶記事の投稿は辞めてしまったので
この場をお借りする事になりますが(汗)
今年もどうか、当ブログをよろしくお願いいたしますm(_ _)m
1/16追記:
2話も見ました。
現在と過去を行き来させるのがどうもお好きみたいで…(苦笑)
過去のエピソードをそこまで映像化する必要ある?という疑問もあるんですが。
せめて、どうしても描きたいのであれば、
画面のアスペクト比くらい変えて差別化して欲しいなぁと思えてしまいますね。
あと…今回を見ていてめちゃくちゃ気になったのは、本作の物語の方向性。
えーっと、「ファンタジーラブストーリー」で合ってるんですよね?
ラブストーリーをうたっている割には、2人の絡みやツーショットが極端に少ないし。
群像劇と言わんばかりに、太陽にも雨と同等の重たい設定を加えて
1人で行動している描写が多く見受けられるので、
思わず公式サイトに行って、どんな作品なのかを改めて確認しちゃいましたよ(汗)
雨の五感が徐々に消えていく件にしたって、
「もっとこうすれば良かった」と後悔するだけで、限りある時間の中で
何か再チャレンジしてみようという必死さがイマイチ伝わってこないと言うか。
今回は味覚で、次は嗅覚が控えている。
短期間で失われれば恐怖を覚えるだろうに、本人はそこまでではなさそうに見えるのは…
設定を活かせていない証拠なんじゃないかと思えてしまいました。
全体的に粗があり過ぎるので、終盤の夕陽をバックにマカロンを食べるシーンも、
視聴者をうっとりさせるために用意したシーンなんだろうなぁという
作り手側の意図が見え透いてしまって、あまり惹かれていません。
良くも悪くも、ワンシーンの美しさにこだわろうとする作品なんですよね。本作って。
宇多田ヒカルさんの主題歌をもってしても、カバー出来ていない気がします。
(補足すると、ご本人は悪くありません…。)
今日から始まった月10の方が興味深く見られたので、
本作の感想はここで終いにしようと思います。