日曜の夜ぐらいは… 3話 感想|日曜の夜なのに…になってしまった(泣)
なんて事ないけど、どこか孤独を抱えながら生きてきた日常が
友情をきっかけに色付き始める…そんな物語になるのだと想像していた分、
宝くじ1等が当選するという斜め上の展開が訪れて、半ば呆然としてしまった前回。
岡田脚本の事だから、この"ミラクル"も何か意図があるとは言え、
もしかしたら3人にあまり共感しづらい方向へと進んでしまうんじゃないかと
不安だったのですが、今回を見て、その不安は少し払拭出来そうで安心しました。
1億円、5億円…というあまりにも非現実的な金額ではなく、
3000万(3人で山分けすれば1000万)に設定している所がミソなのかもしれませんね。
「豪邸も買えない」といった台詞がありましたが、
1000万円では豪邸どころか、普通の一軒家すら買えないですし。
年収200万円で計算すれば5年程度なので、一生遊び尽くせる訳でもない。
貯金も稼ぎも中々そこまでは到達出来ないけれども、
手にした所で一気にバラ色の生活には変われない、何とも中途半端な金額です。
だからこそ、3人が私たち視聴者と地続きである事をまだまだ感じさせてくれたと言いますか。
もし仮に上記の金額で当選していたとしたら、
2話の途中まで3人を等身大の人物として見ていたのが、幸福度で圧倒的に差がついて
置いてけぼりになっていたでしょうから…
今回で早速、宝くじ3000万が当たったエピソードを盛り込んだ理由が
見えてきたのは良かったです。
あとは、まぁ…サチ(清野菜名)の性格上、
「大金もらえて嬉しい!」「当選したお陰で生活が充実し始めた!」などと浮かれる
展開にはならないだろうとは踏んでいましたが、
「お金=幸せ」な安易な話に持っていかない作りもリアルでしたね。
私の場合、宝くじに応募はしないけれども、
倍率の高いチケットが当たった時とか、幸運が何度も続いた時とかに
こんな幸せで良いんだろうか…後々大丈夫なんだろうか…と
素直に喜べない気持ちの方が先行してしまいがちなので、
サチのネガティブな考えにも、翳りのある表情を浮かべた3人の姿にも共感出来ました。
いざ不幸が訪れた時に、「あの時が一番良かったな…」と回顧する事も人生にはあるある…。
で、3人はまさにその「あの時(宝くじが当たった奇跡を共有した時)が一番良かったな…」
の状況になりかけているんですよねぇ。
前回の感想で「宝くじに当選した情報を聞きつけたその中の誰かが接近し、
ピンチになりそうな所を…」と書いていたので、
中盤以降の流れも大体予想はついていたものの、
それにしても、まどか(矢田亜希子)とサチの父・博嗣(尾美としのり)の
疫病神っぷりが凄まじかったですね。
車椅子の話題を耳にした時に博嗣が食べていたのが
某コンビニの金のソフトクリームっぽかった所が、余計にイラッとさせるんです(笑)
今後、恐らく翔子(岸井ゆきの)の家族もお金に集ってくる事を想定すると、
基本的に善人の多い岡田脚本にしては珍しい人物描写な気がするんですけど。
3話でこの内容になってくるとなると、
お金を手に入れてからの3人の日常を蝕む展開は
しばらく続いていくのかもしれません。
通帳の残高が追記される演出も下手なホラーより怖かったですが、
若葉(生見愛瑠)と祖母・富士子(宮本信子)が
風で微かにギシギシ音を立てている玄関を見るシーンも、
嵐の前の静けさを物語っているようで印象的でした。
果たして3人が報われる日が来るのか?引き続き、結末まで見届けようと思います。