一橋桐子の犯罪日記 2話 感想|みんな実は独りぼっち
各々の設定を肉付けしていく形で、内容を膨らませていった今回。
桐子(松坂慶子)がムショ活を本格的に実践する描写よりも、
彼女と接していた榎本(長澤樹)や寺田(宇崎竜童)の置かれた状況や、
菜の花みたいな人だと言われていた知子(由紀さおり)の意味深な裏事情を
明かしていた印象が強かったので、
次回の結婚詐欺回が本番で、今回はその前準備?に見えた気がしなくもないんですが。
目標が定まったお陰か、ふとした時の"現実味があって笑えない"感じも薄まって、
ムショ活を通して様々な人と交流を交わす桐子の様子を
微笑ましく見られるお話になっていたと思います。
正義感があり、意見もビシッと言える榎本は、
実は家庭や学校では誰も自分を尊重してくれなくて
心細い気持ちを抱えていた女の子だった。
寺田もただの悪人ではなく、桐子と同じく孤独な老人だった。
寺田があそこを紹介した理由は、どうせ犯罪するなら
同じ意思を持った人たちと一緒にやって、充実した日々を送って欲しい…
自分みたいな寂しい想いはして欲しくない…っていう
ほんの優しさから来ているんじゃないかとも察せられます。
初回では2人とも、桐子とは違う立場にいるように描かれていた分、
もしかしたら、孤独感を覚えながらも日々を送っている点ではみんな一緒で、
どの世代でも共通しているのかもしれない…と分かった時には、
ほろ苦さを感じてしまいました。
だからか、大金を入れる用のバッグを選んだり、銃で遊んだり、作戦を練ったり…
普通だったらジェネレーションギャップで会話も通じなくて、すぐ気まずくなりそうなのに、
2人はどんどん距離が近くなっているし。
榎本といる時の桐子はとてもキラキラして見えるんですよね。
それで思うんですよ。ムショ活に取り組んでみたは良いものの、
いざ逮捕されて長い別れを告げる時に、
あの何気ないやり取りがいかに かけがえのない思い出だったか気づくんじゃないかって。
やっている最中は無我夢中になり過ぎて、案外その尊さには気づけない。
…完全に一括りには出来ませんが、旅行自体はもちろん楽しいけれども、
その日が来るまで待つ時間も同じくらいワクワクするっていうのとも似ているのかなぁと。
今回の件で、オチがどうなるのか何となく読めた気がしています。
次回は詐欺のターゲットとして男性(長谷川初範)が狙われるようですが、
長谷川さんなだけに、詐欺師を騙す詐欺師展開にもなりそうですね。
そして、もう1つ気になるのは、久遠(岩田剛典)の実態について。
桐子の行動は既にお見通しだろうというのは前提として。
最初は「ムショ帰り」なのでストレートに元犯罪者かと思ったんですが、
その割には人脈もあれば、犯罪の知識が豊富なんですよねぇ…。
ムショ帰りはムショ帰りでも、いろんな収容者に関わった看守だったりするんでしょうか?