オールドルーキー 6話 感想|助けてあげたいと思わせるのもまた才能。
正社員になってから初めてのお仕事。
“お仕事ドラマ"としては、やけに順調に進んだなぁ…とツッコミたくもなるんだけれども、
“日曜日の夜に見るドラマ"としては、余韻を壊すような展開を加えたりせず、
ハッピーエンドはハッピーエンドのままで
終わってくれるのが良いなぁ…と思ったりもしています。
幸せな気分のまま月曜日を迎えるって、割と大事な事ではありますからね。
主題歌も、それを後押ししてくれるかのような曲調で、
作風との相性とバッチリなんですよねぇ。
内容自体も、「ようやく見たいものが見られた…」そんな感じがしています。
誰かとコンビを組んでいた下っ端時代と違い、独り立ちの物語ではあるんですが、
仲間の助けを求めるくだりをガッツリ入れた事で、"チーム"で動く話になっているし。
同時に、主人公には何が欠けていて、逆にどんな才能を持っているのか…という
特性や個性を明確にした事で、新人社員がこれから奮闘していくであろう
“お仕事成長記"としてかなり見映えが良くなったように思います。
おまけに、主人公だけを目立たせたりせず、それぞれの登場人物も
彼に巻き込まれる形できちんとキャラの描き分けがされている上に、
状況の似ている新垣(浅利陽介)との関わりを通して、
新町(綾野剛)が一歩ステップアップしていく姿もさり気なく描いた。
前回の感想でも言ったように、この最も理想的な内容が3話辺りに来ていれば
今まで感じていた構成のグダグダ感も減っただろうし、
なぜか2話で同時進行で描かれた梅屋敷(増田貴久)のエピソードも、
1話分まるまる彼にスポットライトを当てられる
“味変回"的な余裕が生まれたんじゃないかとは思いますが…まぁ、もう過去の事は良いでしょう。
ちなみに、もう1つ個人的に良かったのは、
果奈子(榮倉奈々)の話を前面に押し出さなかった所ですかね。
確かに彼女の出番はちょいちょいあるのですが、本筋を食う事なく。
でもって、新町の"心の支え"になるように、静かに存在感を残しながら絡ませていく。
旦那の新垣との将来を不安視する妻・あかね(阿部純子)の描写があったのも
効いていたのかもしれません。
後半戦に突入して、ようやく「良い」と思える回が出てくる
遅咲きの作品にはなってしまいましたが、
今後もこの調子で"仕事"と"成長"に踏み込んだ仕上がりになってくれれば…と思います。
ところで、最後に余談なんですが…
協力する気のない梅屋敷の「俺は手伝いませんからね」「どうぞどうぞ」
「…あ〜もう!やっぱり手伝いますよ!」という一連の流れを見て、
ダチョウ倶楽部みたいだなぁ…と思いながらクスッとしていたんですが、
その後に肥後克広さんがゲスト出演されるとは驚きでした(笑)
一瞬肥後さんだと分かりませんでした。俳優の風格…漂われてましたね。