インビジブル 1話 感想|警察、しっかりして!

 

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直近の作品とは打って変わって、アウトローな役に新鮮さを覚え、

“凄味"とも言える 目に憎悪を溜め込んだ演技で

どんな過去が待ち受けているのかという想像を膨らませた高橋一生さんと、

猫のように軽やかで掴み所がなく、

強い顔立ちながらも話し方は柔らかというギャップで魅了させた柴咲コウさんのお陰で

初回の面白さは保たれた…といった感じ。

金曜ドラマで再び警察が舞台である事、かつ深い背景がありそうな凸凹コンビものである事、

そして、得田真裕さんの躍動感のある劇伴で、

何となく「MIU404」に内包されていた問題提起やメッセージ性を抜いた、

いわゆる軽いバージョンの作品にも映りました。

 

でも、この"軽さ"…純粋に楽しい意味合いなら良いんですが、

本作の場合、なんか楽しそう…という飛躍の可能性があると同時に、

ちょっとした"危うさ"も秘めているんですよね。

それは、警察の描写やキャストのバランスが主な原因だと思っております。

 

まずは、警察のキャスティングとキャラ付けについて。

全体的に若過ぎて、志村(高橋一生)とキリコ(柴咲コウ)の

メイン2人の活躍で魅せる物語の割には締まりがありません。

捜査一課長が…とか、新人が…とか、諸々の細かい部分には言及しないとして、

1人か2人はベテラン俳優を起用して重鎮らしい雰囲気を持たせても良かった気がします。

酒向芳さんの温厚な役は珍しいものの、上層部の立ち位置でも違和感なく溶け込めたかも?

まぁ、もう始まったんだから、今更言ってもしょうがないだろ!と

ツッコまれるかもしれませんが…

警察の面々をもう少し堅く真面目に描く事で、

キリコの何を考えているか分からない飄々とした佇まいと、

警察の中でも唯一脳筋な志村のフットワークの軽さが引き立つと思うので、

“メイン2人"と"2人を取り巻く警察陣"の二者間で今後は対比を効かせて欲しい所です。

 

そして、警察の描写自体も…個人的にはスレスレラインです。

片方にズレたらまだエンターテインメントとして好意的に見られるけど、

もう片方にズレたら、アホさ加減が物語・素材の良さを邪魔する…そんな感じでしょうか。

例えば、後手後手で動く、モニターで指示するだけの印象が強い、

キリコからの指示に従っている姿をずっと見ていて その間は何も行動を起こさない、

取調室に誰かを通すのに異物検査もしない、部外者の盗撮にも気づかない…など所々が粗っぽい。

冒頭でも書いた通り、初回はお2人のお陰であまりネガティブな感想は抱かなかったものの、

下手したら日テレ土曜ドラマにありがちな"迂闊な警察たちのドラマ"のイメージが

強く残ってしまうんじゃないか?という危険性を感じさせました。

スタイリッシュで高度な作りを得意とするTBSなので、そこは避けていただけたら良いなぁ…と。

 

ただ、ここまで散々書いておいてなんですが、物語の流れはスムーズで、

コンビの描き分けはよく工夫されているのは伝わってきました。

警察官と犯罪コーディネーターが手を組むという設定なのもあって、

従来の警察内の凸凹コンビとどう差別化して描くのか?

洞察力に優れた賢い警察官でも成立するんじゃないか?の2点に着目しながら見てみましたが。

キリコを容疑者候補として拘束し、外部との接触を絶たせた事で

あくまでも不審な存在である事を強調させ、

膨大な情報処理能力を持つキリコが"静"で見せ場を作るなら、

志村は破天荒な"動"で見せ場を作る…と、

2人の動きにシンボルかのようなメリハリをつけていたのは良かったです。

 

良さもあるけど不安もある…そんな初回でしたが、

次回から改良されていく事に期待するしかないですね。

でも、総じて言えば、昔懐かしさも感じられて悪くなかったです。

あとは警察の描き方次第かな?

 

 

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