正直不動産 2話 感想|祟りじゃなくて守り神かも
「1位になりたい」の裏に隠されていた給料格差、
契約にはなかった勝手な賃料値上げ、営業テクニックの真意、
期待株に思えた桐山(市原隼人)の本当の顔、
そして、パワハラ発言をする大河(長谷川忍)と…
本作を見なければ知らなかった不動産業界の実態や、
依頼主のいない所でタチの悪い言動をしているといった、
表には現れない様々な形の"闇"を頻りに描いてきた今回。
いかに不動産業界がブラックであるか?
現実世界でもこんなにズルや卑怯な手口で溢れているものなのか?
ショックを覚える展開が延々と続いて…からの
デメリットも真相も全て腹を割って話そうとする永瀬(山下智久)の描写には、
一筋の光が差し込んだようなカタルシスが感じられ、
今回も気持ち良く見終える事が出来ました。
依頼主も相手の人間性が分かれば、今までむき出しにしていた敵対心は消え、
自分も誠意を持って向き合おうという気になる。
家を売るにも、まずは人間関係を築く事が大事。
ベタではあるものの、展開の緩急のつけ方、他の営業マンとの描き分け、
人情の落とし込みのさじ加減と、各方面できちんと整理整頓されているので、
正直を武器に仕事する"ヒーロー・永瀬"が純粋に頼もしく思えてしまうんですよねぇ。
そして、「本音が出てしまった」の見せ方も、2話にして引き出しを増やしてきた感じ。
実は、風が吹いて言っちゃいけない事を口走ってしまった!という
“本音を漏らす=無礼"で笑いをとる演出が基本となると、
そのうちワンパターン化してしまうのでは?と、初回の時点で少し不安に思っていたんですが…。
本音を漏らした事で、かたや 教え上手で面倒見の良い先輩にも映ったり、
(「仕事がもらえて嬉しい…」のシーンのように)
かたや 切実な想いが態度に現れ過ぎていてクスッと笑わされたりと、
本音は本音でも、永瀬のいろんな顔を覗かせる工夫が施されていた所も楽しめました。
今回のサブタイトルは「1位にこだわる理由」という訳で、
永瀬の動機はもちろん、桐山の動機、一方で1位にこだわらない立場である月下(福原遥)の
3人の仕事観を描く群像劇仕立てになるのかな?と思いきや…
その予想を超えて、最終的には主人公の活躍をしっかり見せる
構成になっていたのも良かったですね。
これはやっぱり、手堅い作品かもしれません。