青のSP−学校内警察・嶋田隆平− 6話 感想|いじめ問題、そんな甘くないっすよ?
今までは学校に警察が配属される形で
“新感覚学園ドラマ"として成立出来ていた訳ですが、
結局、主人公の過去が絡んできちゃうと
物語の向かう先は縦軸中心の話になってきちゃうんですよね。
だから、毛色が変わってしまっている感じ。
隆平(藤原竜也)が警察官らしく
保護者と学校の中立的存在として描かれれば面白くなったかもしれないけど、
彼が学校に来た目的は恋人を殺された事による復讐でしかなくて。
それはわざわざ警察官という外部の人間を呼ばなくたって、
訳ありの過去を持つ教師だとか、黒幕に近づくために教師だと偽る人とか、
“学校内"だけでいくらでも完結出来そうな設定だと思うんです。
まぁ、真相が明るみになっている以上、
今更「こうなっていれば…」と言っても意味ないんですが。
しかし、本作の作りに残念に思っている点はそこじゃない。
縦軸がクローズアップされるにつれて、"警察が学校を救う"1話完結部分の着地点が
どんどん雑になってきている事…これに尽きます。
中盤で出てきたひったくり犯が結局誰で、ただの常習犯なのか、
それとも(三枝(山田裕貴)とのシーンで「最近ここら辺でひったくり被害が
相次いでいるらしいですね」という会話がなかった事から)
機密情報を狙って教師が誰かを利用したのかが一切明かされなかったから、
無理やり事件を勃発させるための"アイテム"として描かれているような不自然さがありますし。
序盤は「教師による若手教師へのいじめ」がテーマで動いていたはずが、
いつの間にか「人手不足による業務量過多」になって、
校長対教師への構図に挿げ替わっている。
実際に部活動の顧問などのサービス残業も多くて、学校がブラック扱いされている。
そんな社会問題に突っ込みたいのは分かる。
でもさ…なんで1時間内でそこまで欲張ろうとするのかな?
「いじめは犯罪」という前回の主人公の訴えは忘れてしまったんですかね?
今回の2人の教師こそ、初回みたいにガンガン手錠で逮捕するべき相手でしょう。
教師だろうと生徒だろうと、警察だから容赦はしない"勢い"はどこ行ったのか。
風呂敷を広げるだけ広げていって、根本的な問題は回収しないんじゃあ…
本末転倒ですよねぇ。
はぁ…学校に深く関わっていない"第三者“の立場だからこそ、
視聴者の思っている事、行動したい気持ち全て代弁してくれて、
もっと痛快感を味わわせてくれる作品だと思っていたんだけどなぁ。
モヤる。非常にモヤる…
しれっと味方側に回った2人が「業務問題」でチャラになって、
今後も罪に問われる事はないだろうと察してしめしめなんて思っているのを想像すると…
腹立ってきますわな(笑)