コタキ兄弟と四苦八苦 2話 感想|何かを犠牲にしてでも欲しかったモノ
豪勢で賑わった結婚式のようで、実は新郎も友達も
レンタルおじさんだったというトンデモ設定。
けれども、そんな手鞠(岸井ゆきの)が逞しく、かっこいい女性に思えてしまいます。
ここ最近の岸井ゆきのさんは、ゲストとしても脇役としても、
視聴者の目に止まる存在感を着実に発揮されていて良いですね。
いつも"クソ"が付くほど真面目で、人の気持ちには鈍感な一路(古舘寛治)が
最後に「何もない日という事は、何かが始められるという日でもあるという事」と
励ましの言葉を送れたのも、親を幸せにしたいという手鞠の確固たる意志に、
ほんの少しでも感情を揺さぶられる部分があったからなのかもしれません。
前回では、何事にもまずはアクションでしょ!といった
“動"だからこその良さを二路(滝藤賢一)が見せた一方で、
今回では、踊らずにただその人のそばにいてあげる…といった
“静"だからこその良さを一路が見せる。
「兄弟それぞれの魅力」が解決シーンでも対比の形で提示されている所がまた面白い。
構成的には、「何かを犠牲にしてでも欲しかったモノ(物・者)」を共通点として、
恋人や夢、理想よりも家族の幸せを一番に選んだ新婦を描く前半と、
地位や周囲からの期待よりも自分らしさを選んだ二路を描く後半で
二部構成に分かれていた印象。
手鞠さんにはいつか嘘をつく必要がなくなるほど幸せになって欲しいな…と
思わせてからの、たった1つのモノすら手に入れられない二路のほろ苦さが
何とも余韻の残るお話でした…。
兄弟2人の行動にハラハラクスクスさせられつつ、
最後にはちょっとした温かさと切なさを醸し出す「人間賛歌」を思わせる作りは、
去年の同じ時期の「フルーツ宅配便」にも通ずるものがありますね。
しみじみ、良いドラマです。