コタキ兄弟と四苦八苦 1話 感想|オチがない?あるのかも?な兄弟の話
深夜ドラマが何たるかを、よく分かっている作品だなぁ…というのが第一印象。
バイプレイヤーの古舘寛治さんと滝藤賢一さんのキャスティングも、
そこに芳根京子さんのツッコミが加わる事によって生まれるやり取りの愉快さも、
内容がありそうでなさそうなユルさ加減も、ノリノリで踊るOP映像も…
どれをとっても好き。久々にこの枠「ドラマ24」らしさを見た感じ。
ギャグや小ネタはなく、喫茶店というワンシチュエーションでただただ喋るだけ。
離婚届にサインをするか?しないか?をめぐってのお話…というだけ。
しかし、そんな単純な設定の中でも、兄・一路(古舘寛治)が屁理屈を言って渋る一方で、
弟・二路(滝藤賢一)は何も考えずにすんなりサインをしてしまうなど、
行動や発言で兄弟のキャラクターが描き分けられているのが
やっぱり凄いなぁと思わされます。
その"さり気なさ"は、二路がユカの離婚届を出したラストにもかかっていて。
「怨憎会苦」の意味、「他人のならサインできるんだけどな」という台詞から、
自分は上手くいかない分、同じ状況下の静子(市川実日子)には幸せになって欲しい…と
考えてあの行動に出たのだと思っていますが、彼の意図を台詞で分からせるのではなく
「もしかして?」と視聴者に想像させる含ませ方も良かったです。
1時間1000円の胡散臭そうなレンタルおじさんに依頼しちゃうくらいだから
本当に困っているのに、説教をし始める一路は正直向いていない。
二路は基本的に真面目に対応してくれない(笑)
けれども、一路は向かないなりに、相手を困らせている社会の現状も
相手の気持ちも理解して行くのかもしれませんし、
二路はちゃらんぽらんな自分だけど、相手にとっては必要とされていると
勇気付けられて行くのかもしれません。
そんな感じで、1話ごとに曲者なお客と関わって行くユルコメディがメインテーマならば、
訳あり兄弟の成長物語が裏テーマなんじゃないかな?という気にもさせられた初回でした。
これから、どんな物語を二人が見せてくれるのか、楽しみです。