作りたい女と食べたい女 8・9話 感想|もう"答え"は見えた模様。
8話
体調不良で寝込む事になってしまった野本さん(比嘉愛未)。
このシチュエーションは2話でもあった訳ですが、
同じような話を再び描く事にちゃんと意味を持たせているんですよね。
春日さん(西野恵未)に対して、
当時は"何となく"良いなぁと感じていたものが"確信"に変わる…
今回は、そんな野本さんの「こうありたい」という決心を、
回想も絡めながらゆっくり描かれた内容になっていた気がします。
第2週までの頃は、特に予習していなかった分
同性愛が絡む話になると思って見ていなかったので、ちょっと動揺してしまったんですが。
第3週かつ最終章(?)のスタート回でもある今回の内容を見る限りは、
あくまでも「女性同士の恋愛」にシフトしていくのではなく、
最後まで「生きづらさを抱える女性が居場所を見つけるまで」を
描き切る方向になりそうで安心しております。
あと…幼少期についても1話分使ってしっかり触れていたので、7話の感想については少し撤回。
最初は仲良かった友達が「みんなそうしてるから」の世界に飲み込まれていって
いつしか独りぼっちになってしまうという、
学生時代の野本さんが抱えていた苦悩や心細さに
焦点が当たった前半のエピソードが効いていました。
春日さん(西野恵未)が別れ際に「また来ます」と言ってくれたのも安心感がありましたが、
その"サイン"として自分の上着を野本さんにかけるというのがね…
野本さんと同じように、「ああ、この人となら大丈夫。そばにいてくれる」
そんな風に思えて、じわっと温かい気持ちになれたんですよねぇ。
9話
前々から思っていた事なんですが、森田望智さんが
同僚・佐山役にしっくり来るんですよねぇ。
野本さんがカミングアウトしても、言葉を慎重に選びながら変に気遣う訳でもなく、
「へぇ〜そうなんですね」みたいな感じで変わらずフラットでいてくれるし、
「私は男性が好きなんですけど」と言う事で、
男女の恋愛がスタンダードだとは思っていない気持ちを示してくれる所も良い。
「妻、小学生になる。」でもOL役で、
隅の方に追いやられ気味の主人公に唯一好意を持つキャラとして描かれていたのもあって、
この役を演じられるのにも説得力を感じさせます。
自分の中で溜め込んでいたモヤモヤを誰かに吐き出せて、
きっと肩の荷が降りたのでしょうね。
バスから降りた時にちょっとだけ野本さんの足音が弾んだ気がして、
こちらも嬉しい気持ちになれました。
多様性を理解してくれる人が身近にいると、心強いものですよね。
そして、今回のご飯はローストビーフ丼。
家でローストビーフ丼…羨ましい(笑)
黄身が乗っかるのを口を半開きにしながら見つめていて、
「いかんいかん!閉じなくちゃ」って後で気づいて閉じるという
春日さんのリアクションがかなり「分かる」。
あまりにも美味そうで、よだれが出そうになったんじゃないか?とも思える表情でしたw
春日さんも、元から気の利いた優しい人ではありましたが、
ローズマリーを持ってきたり、ワインを買ってきたりと積極性が増してきている辺り、
野本さんとの食事の時間を本当に楽しみにしているんだろうなぁというのが伺えます。
次回は最終回ですが、もうお互い"答え"は見えている様子。
このまま、本作から醸し出る心地良さを、最後まで楽しみたいです。