石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー 2話 感想|"よく見ている"思いやりに救われる
なるほどね〜…そうきたか!と。
どんな真相が隠されているのか?という、ある種の謎解き感覚で楽しめるお話でもありました。
孝多(小林優仁)が塾を辞めたいと言ったのも、
木村佳乃さんというキャスト的に毒親の線も考えてはいたものの、
塾の意識高そうな雰囲気や、友達が「小学校受験で落ちたからもう後はない」と言っていた辺り、
実は生徒への教育よりも、数字=実績を多く出す事だけにこだわる塾講師の脅迫からきていて。
塾を辞めたくても責められそうで、
ずっと言い出せなくてあの時思いっきり言ったんじゃないか…
だから、そのうち塾の闇が暴かれるのかも…とか
想像していたんですが、全然そんなことはなく(笑)
結果的に互いを思い合ったが故の心優しい話に落ち着き、
いかに先入観を持って見ていたかちょっと反省するほどでしたw
でも、そんな"引っかかり"やキャストといったミスリードも要所要所に盛り込み、
“自分で選べないし、あの頃には戻せない"が共通点の
「スマホゲームのガチャ課金」から「親ガチャ」へと持って行く
シームレスな流れも巧みだったお陰で、
今回も先の読めない、最後まで惹きつけられてしまう内容に仕上がったと思います。
勇気を振り絞って訴えを起こす"友情愛"。今回は"親子愛"。
着地点そのものは違うものの、照らし合わせてみて気づいたのは…
どちらも根本的には、“相手をよく見ている"という思いやりから生まれる
優しさが注がれた話になっているんですよね。
今回で言えば、母子家庭の大変さを目の当たりにして、
手当一覧を紹介する形で手を差し伸べてみる石田(有村架純)とか、
孝多が実は母を想ってあんな発言をしたのだと気づいて、
あえて言及した羽根岡(中村倫也)とか、
もちろん、親身になって息子の面倒を見ている母・瑛子(木村佳乃)とか。
だから、最後には何だか気持ち良い感覚が残るのかもしれません。
そして…本作、物語を通して「どんな人だって声を上げて良い」の他にも、
「生きづらいあなたを助ける術は、案外日常のどこかに転がり落ちているかもよ?」を
伝えたいんでしょうねぇ。
で、結果的に、それを繰り返し伝える事が、説教的ではなく、
自然と「現代社会を生きる人々にとって支えになるのは"法"」だと
訴えかけるメッセージになっている。
話のテイストに幅を持たせているけれども、芯の所ではブレが一切ない…
2話にして、中々手堅く作られています。
題材自体も、今回は「未成年のゲーム課金」で、
このコロナ禍で実際に増えただろうなぁと納得のいくもので、
毎回親しみやすい題材が取り上げられてるのも上手いですね。
登場人物のポップさで基本楽しめるけれども、
現代社会の実情もさり気なく落とし込まれていて、
「エンターテインメントを見ている」という満足感を覚える作品です。