DCU 9話(最終回) 感想|2時間スペシャルの無駄遣い
わ〜驚いた!まさか成合(吉川晃司)じゃなくて佐久間(佃典彦)が黒幕だったとは!
これがどんでん返しってやつか〜〜!!!
…ってなりますかいな(苦笑)
もう、一言で言ってしまえば、2時間スペシャルの"無駄遣い"…これに尽きますよ。
本作の特徴であるはずの「海上保安庁で捜査に特化した組織」
「水中事件が舞台」といった初期設定すら活かさず、
施設内で時限爆弾を探したり、危機的な状況の中で人を救出したりする、
まるでどこぞのSF洋画かぶれみたいな事をやっている作品ですから、
1つ1つツッコむのも野暮かもしれませんが…
それにしても、物語の節々で理解しがたいような描写が頻繁に見受けられたのも気になりました。
例えば…さっきまで料亭にいた笠原(岡田浩暉)が
なぜかセキュリティが強化されているはずの地下倉庫に寄り道感覚で入れているとか。
彼に刺されて大怪我を負った新名(阿部寛)が
数分後には何事もない状態で仕事に戻れているとか。
水中では広がらない傷口が、都合の良いタイミングで広がるとか。
佐久間の仕業によって溺れていた2人が瞬間移動しているとか。
そして、新名と成合は"いつの間にか"和解するまでの関係性に発展しているとか。
挙げたら本当にキリがないんです。
こんなに出しても、まだツッコミ足りないですもん(汗)
つまりそれだけ、他のスタッフや脚本家とチェックもしていないんじゃないの?
レベルの粗が多過ぎるって事なんですよね。
2時間内に入れる必要性を感じない、かつ、俗に言う"間"ではなく
ただ経緯を"すっ飛ばしている"だけのエピソードを盛り込んだ割には、
今まで散々引っ張ってきた隆子(中村アン)の死の真相は1台詞であっさり解明。
…で、長時間使っておきながら、成合を取り押さえる事は出来ず、
15年間何をしていたかも一切明かされないモヤモヤを残して終了。
ぶっちゃけ、劇場版(恐らく)までわざわざ引っ張るような内容か…?とすら思います。
初期設定だけに留まらず、縦軸の絡め方も、拡大スペシャル内での構成のバランスも、
1クールという長さだからこそ味わえる"連続性"の活かし方も、
何もかも下手だったとしか言いようがなく。
前作でさえガッカリさせられたのに、
正直、日曜劇場というブランドも地に落ちたか…と考えさせられる仕上がりの作品を
見る事になるとは、想像もしていませんでした。
これ、邪推するに…表向きはハリウッドとの共同制作をうたう事で、
あたかも高額な予算を使って力を入れているように印象づけておいて、
実は、若手や次世代の脚本家を育成するための企画だったんじゃないかという気もしています。
だって、最初の頃はCGでも海に潜る演出はしていたはずなのに、
プール→水族館→旅館→9割泳ぐシーンがない最終回 とどんどん迷走していく辺り…。
本当の意図を知らないハリウッドの制作会社と揉めて
上手く行かなくなったと考えても無理ないんですよね(苦笑)
こんな作品になるくらいなら、最初からブラックバタフライにまつわる縦軸を取っ払って、
テレ朝の「木曜ミステリー」枠や木9のような
「1話完結型」の海での捜査に焦点を当てたシンプルな作りの刑事ドラマにした方が、
“本作らしさ"も物語の面白味も増したのかもしれません。
何度も言うようですが、変に話を大規模に見せようとすればするほど
破綻していく傾向にあるのがこの枠なので…(滝汗)
最後に、元々期待していなかったにせよ…
お願いだから、日曜日はどっちかでも面白くあって……というのが、ここ最近の本音ですね。