監察医 朝顔(2021) 14話 感想|「おかえり」と言い合える家族でいて欲しい

 

f:id:rincoro_ht:20201103175211p:plain

 

ついに終わった。

長く長く感じた「孤独編」…ようやく終わった。

もうホッとしてます。もうこれが最終回でも良いくらい。←それは言い過ぎ(笑)

 

そもそも「孤独編」というネーミング自体、

視聴者に可哀想と思わせる意図的な表現のようで抵抗感を覚えまして…

そして、桑原(風間俊介)も平(時任三郎)も同じタイミングで転居させて

家族をバラバラにする意味はあったのかとも疑問でした。

まぁでも、終わり良ければすべて良しとまでは言いませんが、

久々に4人で囲む団欒や、つぐみ(加藤柚凪)と仲良く遊ぶ光景に

実家に帰ってきた時の懐かしさを感じて、思わず「おかえり」と言いたくなりましたし、

4人の間にある絆の深さを改めて噛みしめるための「孤独編」でもあったのかな…とは、

今となっては、そう思います。

 

今回の何が最も"本作らしかった"かって、

朝顔上野樹里)の大人で真面目な性格が描けていた所。

普通だったらほんの嫉妬心で美幸(大竹しのぶ)に顔を見せに行きたくないだろうし、

「実はお父さんの事が好きだったんでしょ?」なんて

オブラートに相手の気持ちを確かめる事だってあり得ると思うけど、

朝顔はそれをせず、ひたすら「お母さんと仲良くしていたお友達」として接し続けた。

どう思っているのかハッキリさせるとか、変にドロドロした展開にならなくて良かったです。

 

そして、その人間性の高さはお父さんから遺伝しているのもよく分かる。

歳を重ねるにつれプライドが高くなって、強がりな性格になる人が多分増えていく。

「先に謝っておきたい」「これから迷惑かけると思うけど」と

正直にありのままを伝えられる人はそうそういないと思う。

つぐみちゃんの「どうして離れ離れなの」は

そこまで深く考えた上での言葉ではないかもしれないけど、

自身の病気の件や、妻の"生きた証"と一緒に死に向かう人生を歩もうとしていて、

心に翳りのあった平に一緒に暮らす事を決断させた

“生きる希望"を見出させたきっかけになったのには間違いないですし。

三世代にわたって、親の考え方や生き様がこうやって子供に伝わって…という

日常生活においての家族の存在の大きさを感じさせたお話だったのが、

今回の満足度に繋がった理由なのではないかという気がします。

 

つぐみにクリスマスプレゼントをみんなで渡しに行って、

ドジをやらかして笑って、酌み交わしながらお喋りして…

ずっとそんな家族であって欲しいです。

カセットテープにもどんどん記録を残して欲しい。

骨よりも案外そういう思い出の積み重ねが、

心の拠り所になるのではないかな…と思ってます。