半沢直樹(2020) 5話 感想|探偵にもゲスニックにもなる半沢
第1章は銀行vs証券会社が軸となる話だったため、
銀行用語が飛び交う所に個人的にはどうしても小難しい印象があり
(それでも「ここが山場だ!」というのが上手く調理されていたと思うけど)、
その分役者陣のクセの強い顔芸を増やす形で、本作なりの"エンターテインメント"を
作り出していっているんだと思いながら見ておりました。
しかし、今回の第2章になってからは、より全体像が掴みやすい工夫が施されていた気がします。
まぁ、再建モノなので複雑な設定や用語は減りはするのですが、
テンポの良い演出に合わせて、半沢(堺雅人)・銀行・帝国航空の3つの関係性と立ち位置を
余計な説明台詞を入れずに明瞭に描き分ける事が出来ています。
そして、ターゲットが同業者ではなくなった事で主人公の存在感が増し、
「"集団"の抱える問題に"一匹狼"の半沢がどう切り込んでいくのか」という見所が追加され、
女将(井川遥)の不審な行動、乃原(筒井道隆)と繰り広げられるだろう対決も含めて
今後の展開がますます楽しみになった点では
良い新章スタートを切れたのではないか?とも感じさせられました。
回を重ねるごとに探偵でも恐喝でも何でもありの主人公になってきていますが、
ただの悪党ではない「目の前の仕事に本気で取り組んでいる熱い部分」も
しっかり描かれているので、ここはもう好きにやってしまえー!という気持ちです(笑)
現実世界にいる私たちには、大勢の部下を味方につける機会も
「見くびらないで頂きたい!」なんてぶちまける機会も多分ない。
だからその代わり、半沢に"こうでありたい"という理想を重ねて見てしまっているから、
相手を論破した時の痛快感も強いんですよねぇ。
「あなたからは腐った肉の臭いがする」も名言だったけど…
近づくな近づくな言われて結局近づけないままやられてしまった
山西惇さんがツボだったかな(笑)