日曜の夜ぐらいは… 7話 感想|次回から色々と本格始動するかな?
「でもさ、正直言うと時々思うんだ。金かぁ…結局はって。」
今回、一番「おおっ」と思えたのはこのサチ(清野菜名)の言葉でした。
まぁ…でも実際、その通りではあったんですよね。
以前の感想で、3000万円をバラ色の生活には変われない中途半端な金額だとは書いたけれども、
回を追って冷静に考えてみれば、若葉(生見愛瑠)が前の職場を辞めたのも、
富士子(宮本信子)と一緒に東京に引っ越したのも、
3人(4人)でカフェを経営するという夢を持てるようになったのも
全部「宝くじが当たった」から出来た訳で。
もしお金がなかったら、今でも我慢と忍耐の生活が続いていただろうし…
言葉を選ばずに言うと、ある意味"お金ありき"で幸せを得ている彼女たちを見て
ちょっと引っかかりは覚えていたのです。
でも、それはサチも同じだった。その事実に、心がふと軽くなりました。
今回は、視聴者の何割かが抱えていた気持ちを、サチも同じく抱えていた事を知れただけでも
十分価値のある回だった気がします。
また、あの想いを吐露するのがサチなのも彼女らしいと言いますか…。
「結局はお金」なのが悔しいとは自覚しつつ、それでも幸せを求めて動く矛盾も
何だか人間臭くて、分かる…と思っちゃいましたね。
本編については、今回も「嵐の前の静けさ」といった感じ。
順調には進んでいるけど、このまま無事にサンデイズのオープンと経営が成功するとは…と
良からぬ方向で考えてしまうのは、
夢を持ってからの3人の前でまだ姿を表していない
まどか(矢田亜希子)と博嗣(尾美としのり)の存在もそうなんですが、
今回の内容を見ていて新たに気づいた事もあったんです。
彼女たちから、頭の中では想像や理想を膨らませていても、
その実現のために行動に移す様子があまり見受けられなくて。
例えば、カフェメニューの再現のブレを減らすために料理教室に通ってみるとか、
栄養士の資格勉強をするとか、食品衛生責任者の講義を受けるとか、いろいろ準備は必要なはずで…
前回、賢太(川村壱馬)から「研修して下さいね」と言われていただけに、
何かを学習したり研究したりするシーンが一瞬もなかったのは少し気になってしまったんですよね。
いや、もちろん、本作が「ド素人が新感覚カフェで売れっ子店員になるまでの
お仕事サクセスストーリー」ではなく、
「友情こそが、奇跡だ。」というキャッチコピーの通り
「今まで孤独な想いを抱えていた3人の人生が、ある日を境に大きく変わる」
物語であるとは理解していますし、私が先ほど書いた事も野暮なのかもしれませんが。
でも、ここ何回かは、何か起こるのでは…ああ…今回も無事に終わった…の
緊迫感走る展開の連続で、
しかも今回はサンデイズの進展がほぼなかった辺り(賢太の出番も開始50分くらいでしたし)、
正直、そろそろ物語に"動き"を見せて欲しいなぁ…とも思えてしまうんです。
前回の本編の感想を比較的サラッと書いていたのも、きっとそういう事でしょうしね…。
ただ次回予告では、邦子カレーの採用?の他に、
エプロンや食器を選んだりするシーンが流れていたので、次回に期待って所でしょうか。
サチの「毎日楽しいなって思える事が一番の復讐!」発言も
大きな悲劇の訪れを匂わせていて、今からドキドキしております…。
最後に余談で…まどかが菓子折りを持ってきていた件、
基本、良心のある人物しか登場しない岡田脚本らしさが滲み出てましたねぇ。
お金をせびるつもりで持ってきた訳じゃないと、私は信じたいんですけども。
前回の邦子(和久井映見)から見た"好きだった頃"の博嗣と言い、
今回のサチの田所(橋本じゅん)への感謝の気持ちと言い、
子供の頃の娘を懐かしむ富士子と言い…
悪人をそのまま悪人に描かない所が、作家性だなぁ…と見ていて思いました。