それってパクリじゃないですか? 6話 感想|"尊重"が伝わる話はやっぱり見ていて気持ち良い。
今まで扱われなかった「知的財産」を題材としたドラマを作る難しさから来ているのか、
回によって内容の質に差があるのが気になる所ではありますが…
今回は良い方向に転がりましたね。
「やばい」「曖昧」といった言葉を会話に度々散りばめる事で
視聴者に何か"伏線"になっていると思わせ、
最終的に特許出願に向けての解決策が見つかる形で、その伏線をさらっと回収していく様は
ちょっとしたミステリーの趣も感じられて面白かったですし。
何より、純粋に見ていて気持ちの良い内容でした。
個人的には、(今回を除き)現時点で本作の中で一番よくまとまっている印象のある
3話に近しい味わいがありました。
前回の感想で知財部の面々の空気感の良さについて触れましたが、
彼らだけでなく、会社の社員たちみんなが
“一緒に働く仲間"を尊重してくれる優しい性格に描かれているのが
今回の出来に繋がったんじゃないかなぁと思います。
共同開発をしている学生3人は確かに青臭い部分が目立っていましたが、
劇中でも言われていたように、
「自分の努力や熱意がそのまま評価基準になる世界」で生きている学生と
「会社を守るために調整を重ねる」日々を送っている社会人とでは
当然、目の前の案件に取り組む目的も違ってくる訳で。
3人の未熟さを突いて、これが社会の流儀だから〜と威張るのではなく、
意思を汲んだ上で、じゃあどうすれば双方が納得行くのかを考え、
自分が今出来る事を探しては最大限に力を発揮し
1つの物事を成し遂げるまでの過程をコツコツと描く…
彼らの様子から仕事のやり甲斐や希望が画面上で伝わってきて、
明るい結末に微笑ましい気持ちにもなれました。
それに、私はどっちかと言うと、
今までの経験上、つい学生に感情移入してしまいがちなので(笑)
3人にとっては貴重な社会体験を味わえたんじゃないか…
今後社会人として生きていく上で一生忘れられない思い出になったんじゃないか…と、
そんな余韻も残りましたね。
肝心のカメレオンティーの件は、"その後"がどうなったのかが
ずっと気になってはいたので、言及されてスッキリ。
ケンタッキーの例を交えたりして、
特許出願をあえてしない理由の説明も分かりやすかったです。
企業秘密ってやつですね。
これまで本作では「陣取り合戦」「陣」がキーワードになっていて、
「特許を取るために、確実に迅速に動く」を最終目標とした回が多かっただけに、
出願しない事がブランドの価値を維持する手段の1つにもなると知った時は
目から鱗が落ちたようでした。
で、その件を知っているのが社員数名と高梨(常盤貴子)と社長(赤井英和)だそうで。
でも…社長に言っちゃって大丈夫なの?と思える自分もいてw
いや別に、企業のトップだから、伝える事自体何もおかしくはないんですけど、
なんせねぇ…初回で社外秘のキラキラボトルの試作品を
持ち込んで見せた人ですから、信用ならないんですよ(爆)
北脇(重岡大毅)は「賭け」と言っていましたが、ドラマですから…
最終章辺りでカメレオンティーの情報漏洩事件が起きて、
大波乱を招く展開が来るんじゃないかという気もしております。
五木(渡辺大知)に話を聞かれた疑惑も浮上してきましたからね。