マイファミリー 10話(最終回) 感想|怒涛の真相をどう受け止めるか?

 

 

誘拐事件の真犯人は誰なのか?真相は何なのか?

ただそれらが明かされる時を待つのみ…となった最終回。

ここまで(特に前回は)新情報をチラ見せしたり、

思わせぶりな演出をしたりしながら引っ張ってきたので、

たとえどんな結末がやってきたとしても、果たして納得出来るものになっているのか?

最終回はそれだけを目的に視聴しました。

まぁ…散々手のひらの上で転がされて、

約1時間内で一気に"説明"という名の後出しじゃんけんをするんだから、

否が応でも納得せざるを得ないんですけども(苦笑)

 

結果としては…辻褄が合うような?合わないような?

どっちつかずな印象を残して見終えた感じです。

何でそんなにはっきりしない感想なのかと言うと、

説明台詞のオンパレードでついて行くのに必死だったから(笑)

真犯人は「やっぱりね…」だったにしても、

真犯人が判明する前の妙に長い作り話に振り回されるわ、肝心の動機は

全て葛城(玉木宏)の語りで明かされるわで、 ←演技力をカバーするため?と思えたり…

短時間での膨大な情報量を前にすると頭が混乱して、

「まぁそれで合ってるんだろうな」って妥協する時が来るんですよねぇ。

 

でも、1つだけ分かるのは、同枠で似たような手段を使った

テセウスの船」よりかは無理がないという事。

そんな小さな事で…とツッコんでしまいそうな嘘でも、

隠そうとすればするほど大きな嘘へと膨れ上がっていく。

気づいた時には、もう手に負えないものになっていた。

犯罪のルーツはこれが鉄板だと思っているので。

 

真犯人自身も今振り返れば、あの時スマートに断っていれば、

乱暴にスマホを取り上げようとしなければ、救急車を呼んでいれば、

誘拐事件なんて大事にせずに済んだかもしれないと後悔しているでしょうけど…

結局、保身を最優先に動いてしまった。

なぜこの構成・物語を生み出したのかに関しては、

自分の守りたいものは地位なのか?名誉なのか?

家族なのか?それとも、家族に向けられる評価なのか?を登場人物各々に問いかけ、

取り返しのつかなくなる前に少し立ち止まってみる大切さを延々と伝え続けたかったから…

と捉える事にします。

実際、SNSでも我が家でも、「私だったらこうする」で話が飛び交うケースはあったので、

登場人物を自分に置き換えて見てみる面白さは、ちょっとだけ含まれていたと思います。

 

ただ、唯一モヤモヤが拭えないのは…当時の事故の捜査について。

「心春と同じように」という台詞や、終盤のくだりを見る限りは、

心春(野澤しおり)は遺体となって、

真犯人によってどこかに遺棄されたという事になるでしょう。

昼間で、かつ、心春が下校しているような時間帯なら、

少なからず近所の人々か、同じルートで帰っている同級生はいるかもしれない訳で、

学校に赴いて不審者がいなかったかどうか聞き込み調査をしたり、

亜希(珠城りょう)の交友関係を調べたりしなかったのかな?という疑問が残るんですが…。

刑事のそういった基本的な捜査をしている様子がスルーされ、

真犯人が明かされて以降は彼にまつわる描写ばかりだったのもあって、

「え?」という戸惑いや唐突感を覚えたのかもしれません。

 

世間の盛り上がりようだと、最終回の視聴率は有終の美で終わるんでしょうが、

個人的には、本作のような作りが"話題作""大ヒット作"とみなされるのには

素直に喜べなくて…。

後半になってからは、「考察好きの視聴者のためのドラマ」感が

滲み出ていた気がするんですよね。

嗜好は個人個人で違うとは分かってはいるので、この考えは軽く受け流して欲しいんですが、

人と人との交流から生まれる"ドラマ"を純粋に楽しみたい私としては、

視聴者に考察させるのが狙いの、最終回まで引っ張って翻弄していく作品が

最近多くなってきている事に複雑な気持ちを覚えています。

今期の某ドラマでも、最初はコンビで売っていたはずが

3話くらい「内通者は誰だ?」でだらだら引っ張り続けていたくらいですから…(汗)

 

そういうのが今の"トレンド"で、当分そんな作品が増えていくんだろうとは認識しつつも、

みんながみんなして、最終的には考察に走らないで

伝えたいメッセージを描き切っていただきたいなぁというのが私のちっぽけな願いです。

なので、本作は、世間と同じように

「面白かった!」とは言いづらい印象を抱えて終わる事になりそうです…。

 

 

 

 

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