ミステリと言う勿れ 4話 感想|名前に3がつく男
お2人が主演の舞台劇を鑑賞しているかのような感覚がありました。
今回の面白さは…菅田将暉さんと柄本佑さんのキャスティングと組み合わせが
大きかったんじゃないかなぁと思います。
軽快で間の抜けた会話劇の応酬から一転、淡々としつつも
三船(柄本佑)が実は思い出してきているんじゃないかと薄っすら察した瞬間、
整(菅田将暉)が「なぜ?」「なぜ?」「なぜですか?」と最後に言い方を変える形で
核心に迫ってから真相に辿り着くまでの緩急のスピード感が心地良く、
最後まであっという間に見終えてしまいました。
整の個性の際立たせ方に関しては、今までは何となく「理屈臭い性格」を強調して
他の人物との会話による解決が多かったイメージだったのが、
今回は彼の「圧倒的な推理力」で物語を紡いでいき、解決へと導くスタイルへと
“探偵モノ"の方向にシフトした感じもありましたが、それでも"本作らしさ"は健在で。
今回のような頭脳戦でも、クスッとさせられる雑学的知識は随所に散りばめられているし、
それが結果的に事件を紐解く手がかりに繋がるのを既に知っているから、
整が次どんな話をするのかも気になるし…
とにかく、飽きさせない展開になっています。
記憶喪失の三船が「爆発」というワードでピンと来てから急にすらすら話し始め、
挙げ句の果てには「どこかに時限爆弾を仕掛けた…ような気がする」などと
まさしく"爆弾"発言をし出したこれらの謎や疑問を
どうやって推理して組み立てようか…という整自身の心境を表しているかのような
テトリスの音楽とのシンクロのさせ方も面白かったですし。
これから起承転結の"転"へと切り替わるのを意味する雨上がりの演出や、
適切なタイミングで音量大きめの劇伴を流していたのも含めて、
だんだん、本作の世界観にどんな演出を持って来るのかのコツが掴めている気がして、
回を重ねるごとに本当に良くなって来ているなぁ…とも思えるばかり。
今回はもう、引っかかり部分もなく、言う事なし!ですね。
原作は未読なので分かりませんが、今回のエピソードは映像化で
原作由来の面白さを伝えるには至難の業だったのかもしれません。
月並みな表現ですが、キャスティング、構成、演出…
どこも練って練って作られたんだろう…という"凝り性"っぷりが伝わる内容でした。
そして、今回もやはり事件は完全に解決という訳には行かず、
我路(永山瑛太)だけでなく、同じく犯罪者である三船とも何かしらの接点があり、
整の幼少期にトラウマがある事を匂わせたりして、
ほんの少しの苦味=余韻を残す作りにも惹きつけられます。
まぁ…後で振り返ってみたら、警察に暗号解読班はいないの?
大学生に頼み過ぎじゃない?とは思いましたが(笑)
でも、話自体が面白かったので、あまり気になりませんでしたね。
次回もとても楽しみです。