最愛 4話 感想|それぞれの「守りたいもの」
梨央(吉高由里子)と優(高橋文哉)の再会シーン…何と言うか、ショックでした。
情報屋が優だという事は前から予想がついていたし、
そのうち再会する展開もあるんだろうと分かっていたから、その2点に特に驚きはないんですが…
個人的には、1話のラストで梨央と大輝(松下洸平)が出会った時の
光景と重なってしまいましてね。
学生時代の話は弾んでも、"現在"になるとその2人が
「重要参考人」と「刑事」の関係から中々変わらないように、
姉弟も昔のような関係には戻れないんだろう…と思うと、ちょっとしんどいものがありました。
そう、全ては渡辺の起こした事件のせい。
宇多田ヒカルさんの主題歌が余計に切なくさせます…。
事件の真相に関する謎は、あとは500万円の詳細のみって所でしょうか。
まだ不透明なのは朝宮(光石研)の件もそうなんですけど、
ここまでで欲しかった情報を勿体ぶらずに明かしたとなると、
朝宮のあの夜の様子も視聴者の予想通りで、大きな捻りはないはずで。
やっぱり本作が描きたいのは「ミステリー」ではなく、
真相を知った者たちがどう感じて、運命をどう乗り越えていくのか?なんだと思います。
その象徴的なシーンは、信号機の演出ですよねぇ。
本作って、いつもはそんなに露骨には演出しないイメージがあるんですが、
今回は「ここを見てくれ!」と言わんばかりにピンポイントで映しているのが気になって。
梨央目線で見ると、普段は赤信号の時間経過バーはすいすい下がっているのに、
赤信号から青信号に変わるまでの瞬間"だけ"は、彼女の心境を投影しているかのようで
妙に長く感じてしまったのです。
このもどかしさこそが2人の関係を表しているのはもちろん。
それをあえて映した事が、
真相を知った2人の今後をじっくり描いて、最終回までに盛り上げてみせるという
製作陣の強い意志表示にもなっているんじゃないかと思わされました。
真相が明かされるまでのそれぞれの動きも興味深く視聴。
「最愛」は、今回においては「守りたいもの」とも言えますね。
冒頭の後藤(及川光博)の「かけがえのないものと聞いて何を思い浮かべるだろうか」
というモノローグが印象的でした。
梨央の守りたいものは、大切な弟と、弟を救うための薬の開発。
後藤の守りたいものは、真田ウェルネスの名誉。
優の守りたいものは、お姉ちゃん。
大輝と加瀬(井浦新)の守りたいものは…言わずもがな。
そう考えると、優の病気を治す薬を作りたいという固い目標がある以上は、
仮に優を庇って自分が渡辺の父を殺したと自供したら、梨央の人生は終わってしまうだろうし。
梨央が優を逃がす展開があってもおかしくありません。
いやぁ…本当にサクサク進んでいくので、どんな話が待っているか未知数です。