珈琲いかがでしょう 7話 感想|ぼっちゃんとはいつ出会えたら良かったのか…
今回のエピソードは「ぼっちゃん珈琲」。
過去の話は、青山(中村倫也)が清掃屋として全盛期だった頃か、
コーヒーに揺らぎ始めていた頃か…いつの状態でぼっちゃん(長野蒼大)と出会ったのか
はっきりと分からない感じで始まりましたが、
「逆上がりなんて出来なくても生きていける」と言ったり、
ぼっちゃんの抱える心境をしっかり受け止めたりする描写があった辺り、
後者寄りの、たこ(光石研)に人生のいろはから教えてもらっていた所で
出会ったのだろうというのは、何となく読み取れました。
父にも相手にされず、家でも学校でも孤独だったぼっちゃんが
青山と交流するようになった時点で、
きっとこの人がお父さん代わりだったのだと早くに察してしまいましたし。
そこからの展開も想像しやすく、エピソード自体は凄い衝撃的ではなかったものの、
10代の頃のぼっちゃんにも、現在のぼっちゃん(宮世琉弥)にも共通して醸し出る佇まいに、
彼がいなくなった数年間でどれだけ絶望した日々を送っていたのか…という余白を感じさせ、
最終的には切ない気持ちで見終えたお話でした。
父のいる暴力団を反面教師にして、誰にも頼らず強くあろうと意気込むその徹底っぷりは、
服装や話し方に反映され、真面目な性格が伺えた10代の頃のぼっちゃん。
時に子供っぽい一面はあれど、
土を薄めたコーヒーもどきを飲ませるという歪んだ部分も秘めていたぼっちゃん。
(「見て見て、これコーヒー!」って言う所までは子供あるあるだとは思うけども)
それが現在、ボタンをしめた学ラン、内面を中々掴み切れなさそうな話し方、
ロシアンルーレットと、大人になっても染み付いていて、
ふと見せる微笑みの表情にも子供の時のあどけなさが残っているよう。
こうした演技やキャスティングのお陰もあって、
ずっと会えなかった青山に依存したくなるのも理解出来てしまうんですよね…。
青山といつ出会っていたら"裏切り"にはならなかったのか…
移動珈琲屋に訪れるお客さんとしてだったら
あそこまでの感情になる事はなかったかもしれませんが、
それでも置かれた境遇からして、「なんで?」「どうして?」と、
コーヒーを飲んでいくうちに心の拠り所として縋ってしまいそうですし。
かと言って、何の迷いもなかった頃に出会っていても
青山がコーヒーに目覚める未来を変えられる可能性は低い。
どちらにせよいつかは離れ離れになる運命なのか…うーん…。
ぼっちゃんが子供の時からいた側近・夕張(鶴見辰吾)も、
彼を孤独にしてしまって後悔している部分もあるんじゃないかなぁと思ってます。
毒入りのコーヒーは多分運ぶ前に捨てているし、
青山がお金を持って逃げた件も、自分が足を洗わせたからなのでは?という気もしてきました。
次回予告では、垣根(夏帆)がお客さんとしてコーヒーを飲みに来る場面があったので、
確実にハッピーエンドにはなるのは目に見えていますが、
あの件が終わったらまたぺい(磯村勇斗)とも別れてしまうんでしょうかねぇ。
今度は経験を積んだコーヒーを飲んでみません?
そしてやっぱり…みんなで店開きません?