桜の塔 2話 感想|主人公に魅力が足りない?
初回で事件の裏で漣(玉木宏)が暗躍していた事が明らかになってからの
今回でありますが…流れは最後のくだり以外同じなので、特に感情は動かされず。
というか、2話にして既に飽きてきた感じがしましたなぁ…。
その理由は2つ。
プロファイラーである漣の"ずる賢さ"の描写が不足している事と、
出世バトルがテーマの作品ならではの、
主人公側と上層部との間にある"正義感"の対立構造が曖昧になっている事。
この2つに尽きると思っています。
まず前者から触れるとするならば、
彼の出世をするための行動は基本的に誰かを蹴落とすのではなく、
手柄を取りまくって、その実績でのし上がろう…っていうものなんですよね。
いくら演出でずる賢そうに見えても
「他より変わったやり方で事件を追っている」だけなので、そこがちょっと物足りない。
相手を蔑むような態度・発言をしたり、
手柄を取ったと分かった時にみんなの前で高笑いしたりして
周りの反感を買うキャラクターにしたら物語にインパクトが残るかもしれないし。
それに…漣の企みを知る人物は爽(広末涼子)より
先に同期の馳(渡辺大知)にしておいた方が、
票を多くとった彼に憎しみの気持ちが生まれるのに説得力があった気がしました。
だって、いつもは仲良さそうにしていて、特に嫉妬を思わせる素振りもなかったので…
急に態度が変わったら違和感ありまくりじゃないですか?
で、後者の「"正義感"の対立構造が曖昧」というのは、
言い換えれば、警察官みんなどこか"ズレている"人たちしかいないという事。
漣のやり方は被害者を生み、爽は彼の秘密を自白させるためなら銃で脅迫する。
警察内部の人々は通り魔事件なんてなんのそのでトランプで遊んでいるし、
クラブのママにも平気で情報を漏らす。
ドラマの世界の警察が無能なのはあるあるだけどさぁ…
本作でそれをやったらダメでしょ!って思いますよ。
この手の作品は、伝統を重んじて、正しいやり方でコツコツと出世してきた上層部がいて、
そこに違法とも言えるやり方で組織を崩壊し
革命を起こそうとする新参者が割り込んできて、
両者で正義と悪の衝突が生まれるから面白くなるんじゃないんでしょうか。
今の所、どの人も「なんか悪そうな人ばっかりだな」くらいにしか見えなくて。
登場人物のバランスが悪くなっているのが残念過ぎます。
漣の復讐にしたってですねぇ…
回想を通して動機を毎回小出しに提示していくつもりなんでしょうが、
その遅さもかえって内容を薄味にしてしまっている気がしてなりません。
「警察に殺される」じゃ、いろんな意味が含まれていて分かりづらいですよね(苦笑)
事件を追うごとに父が追い詰められた手がかりがあれば良いんですけど、それもなし。
事情も何も今は知らなくても、警察界のトップに立てば父の真相も全て分かるだろう!
って思い込んでいる、ある意味お花畑状態の人に見えますよ。このままだと…
うーん、バイオレンス的描写があるかどうかが気になって構えている以前に、
内容にイマイチはまりきれない…。
どうしようかなぁ。