監察医 朝顔(2021) 19話(最終回) 感想|2クールじゃなくても良かったなぁ。
そっか…本作で、しかも震災から10年というタイミングで
何を一番に描きたかったのかが、最後まで見てようやく気がつきましたよ。
里子(石田ひかり)の歯から始まり、骨の一部とか、体内の遺書とか、アリとか、
全体を通してやけに"生きた証"を強調してくる作りになっているなぁと思っていたけど、
今回の結婚式に帰結する話だったんですね。
もちろん、心臓をお墓に入れるというエピソードも。
世の中は理不尽さや哀しみ、痛みといった"見えない傷"で溢れているし、
人間の心も繊細で、脆くなってしまう事もあるけれど、
「この世界で生きていてくれて良かった」と思える大切な人との思い出が
“今そこにある物"でも、記憶の形でも残っていたら、
人はいつでも前を向けるのかもしれない…
最終的には、そんな強いメッセージに励まされる締め方になって良かったです。
続編が今作られるのも必然性が感じられました。
だからと言って、2クールに適した構成だったかと考えるとまた別の話で、
これは1クールでも全然描けたし、
その方が良さが増したんじゃないかなぁという勿体なさも残りました。
もう中盤が特にね…万木家に愛着を持っていなかったら視聴を止めようかと思うくらい
不運の連鎖が続いていたのが、ちょっとしんどかったです(汗)
登場人物、状況と色々形を変えてきてはいるけれど、
やっている事は「主要人物を辛い目に遭わせる」でワンパターンでしたし、
家族内だけでそれを描くのも飽きたのか、今度は警察内部にまで被害を及ぼして
緊張感を煽るっていうのは…ネタ切れだったのかとしか言えなくて。
「監察医としての顔」「母・妻としての顔」のバランスが
中途半端になってしまったのも目立ちました。
これに関しては要は、プライベートでネタを盛り込み過ぎたために、
朝顔は家族につきっきりの状態にせざるを得なくて、
その抜けた穴を後輩や新人、茶子先生(山口智子)などが補おうとするんだけれども、
でも主人公も監察医なので"仕事もしてます"感を出さなきゃ
「監察医 朝顔」というタイトルに相応しくないと気づいたから、
結果的に、最後だけ美味しい所を持っていく形になってしまったんですよね。多分。
まぁ、最終回の「今日の事、忘れたくない」にも泣かされましたし、
終わり良ければ全て良しなんですが…
それだけに、なんで中盤をあんなに煽る作りにしちゃったかなぁ…という
残念に思える気持ちも同時に芽生えてきた続編でしたね。
もし予定通りオリンピックが開催されている頃だったら、話数も減って
コンパクトに収まったのかな?とも考えますが、そんな事言っても無意味でしょう。
モヤっとした部分もあったけれど、それでも完走出来たのは
やっぱり万木家の人々の真っ直ぐさや素直さが好きだからであって。
里美ちゃんも生まれた事ですし、
つぐみ(加藤柚凪)がお姉ちゃんお姉ちゃんしている所も
ぜひ「1クールかスペシャルで!」
再び続編をお願いします。↑ここ、大事(笑)
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