岸辺露伴は動かない 3話(最終回) 感想|飛び出す絵本で繋がる遺伝子
ヘブンズドアー…今回は全身が本になっちゃった!
幼い子だとそういう仕組みになるのか、
はたまた、今までとは違って露伴(高橋一生)が優しめに呪文を唱えたからなのか。
理由を考えながら見ていたら、物語の着地点に
「なるほど、これがやりたかったのね〜」と腑に落ちましたよ。
手を繋ぐ3冊の飛び出す絵本。パステルな色遣い、可愛らしかったなぁ…
確かにあのシーンをいつもの顔だけが本になる見せ方で撮ろうとすると
人間を川の字状態に寝かせなきゃならない訳で、画面全体にシュールさが増して
絵本の持つ幻想的な世界観を壊してしまいそうですもんね(笑)
こういうパターンも、アリですね。
内容の方は、太郎(中村倫也)が事故に遭ってから人格が変わってしまった事、
そして真依(瀧内公美)の6年前の事故で、2人にどんな関係性があって
どんな結末を迎えるのかが何となく想像出来てしまったので、
今までの話と比べるとそこまで捻りはない印象でしたが、
演出面や芸術面から滲み出る独特さは今回が一番抜きん出ていた感じがして。
柔らかなヴェールとぬいぐるみに囲まれた真央の部屋…
お姫さまのような格好をした真央の佇まい…娘を頑なに隠そうとする真依の謎の女性っぷりと
興味を惹く要素が多くあり、その惹かれたままの状態で
最後まであっという間に見終えた話だったように思います。
個人的に2>1>3話の順に好きで、今回は1,2話とは違ったファンタジー寄りの内容でしたが、
全体的に満足出来ました。
ヘブンズドアーの見せ方も色々変えてくるし、
劇伴も"どことなく不気味"なのはどの回も共通しているものの、
話の内容に合わせて少しずつテイストを変えていっているのも凝っているなぁと。
ファンシーなぬいぐるみから得体の知れない黒い物体まで。
不協和音が重なるピアノとバイオリンの劇伴から、
ちょっと鉄琴(?)っぽい弾んだピアノの劇伴まで。
振り幅が大きいから飽きないわ。これはやっぱり…3話じゃ勿体ないですわ(笑)
それぞれで違う色を出せているのは、1話完結型のドラマとして成功している証拠でしょう。
偏屈な主人公と、明るさで相手を振り回しがちな助手という組み合わせも
“凸凹コンビ"で言えば鉄板ですしね。
中村倫也さんも、ここ最近のクールな王子様系も悪くないけれど、
ほんわかしつつもちょっと影を覗かせる役の方が好きだなぁ…。
原作にどれだけネタがあるのかは分かりませんが、
まだまだ引き出しはいっぱいありそうな気がしています。
もし連ドラでやるとしたら…ドラマ10枠になるのかしら。←勝手に決めてるw
続編を心からお待ちしております。
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