監察医 朝顔(2020) 4話 感想|大谷亮平さんはただの年上キラーなの?
家族の一人に、事件が起こる前の出来事を告げる展開が共通している。
前回は「知れて良かった事」でしたけれど、
今回は「知りたくなかった事」で対比になっていた辛いお話でしたね…。
救急車ではなく、まずお姉さんに連絡した辺り、
亜衣(椚ありさ)にとってはそれほど信頼を寄せる人だったのでしょう。
もし電話に出ていれば、少しは助かる可能性があったのは事実な訳で。
だから、「お姉さんは悪くないですよ」なんて気立ての良い言葉はかけてあげられない。
本作では「"面倒臭い"が大切な人の死に繋がるかもしれない」という事を
描いているから、事件の真相にはほろ苦い余韻を感じさせるんですよねぇ。
うーん…それにしても、一回命を吹き返して無事に助かるか、
犯人にトドメを刺すかの2パターンは見た事はあるんですが、
“まだ生きられる喜びを感じたのに"ゆっくりと亡くなってしまうケースもあるとは…
本当、虚し過ぎます(泣)
事件パートはそんな感じで興味深く見られますが、今回で気になった所が2点。
まず、桃とリボンのように、事件の内容に関連性を持たせる形で、
お姉さんポジション&新キャラの忍(ともさかりえ)を登場させたのにも
美優(高梨臨)の心情と重ね合わせようとした意図があったのかもしれませんが。
正直、"刑事ドラマ"っぽい異質感が強まった事、
中堅で信用組合から刑事になれるもんなのか?とか
新人なのに先輩刑事が同行しなくて平気なのか?とか設定に気になる部分があった事からして、
忍の存在意義にはあまり重要性を感じませんでした。
でも、これでいつもと同じ分量で震災パートをガッツリ入れていたら
間違いなく軸がブレそうな気がしたので、
今回に関しては、そのパートを控えめにした構成にしたのは
良い判断だったんじゃないかと思っています。
そして、これは今回だけに言える事じゃなくて、
シーズン2からの話になるんですが…
何と言うか、2クールやるからってそんなに外側を飾り立てて
盛り上げなくても良いんじゃないかなぁ?という勿体なさは感じるんですよね。
前回の山倉(戸次重幸)のくだりも、キャラ自体は可愛いんですけどね。
ただの年上キラーで終わりそうな大谷亮平さんのキャスティングとか、
(多分ミスリードだろうけど)不倫を匂わせる"聖奈"の存在とか、
「そうだ、これを入れてみよう!」っていう思いつきを並べているように
感じてしまうのは気のせいでしょうか。
物語のベースとして"震災"がどっしりと構えているのだから、
事件も"命の尊さ"を絡める形でもっと丁寧に描いても良いし、
朝顔達の日常は淡々と描いていくだけでメッセージ性も十分にあるのに。
表現はシビアになってしまいますが…
個人的に視聴前から不安であった「2クールであるが故の弊害」とやらが
徐々に滲み出てしまっている雰囲気は漂っている感じですかね。