ルパンの娘(2020) 4話 感想|ちょっと盛り込み過ぎたのかな?
まさか、"捕まり癖"が渉(栗原類)にも移ってしまうとは。
常連の和馬(瀬戸康史)が捕まってばかりだと、美雲(橋本環奈)に秘密だけでなく
Lの一族の事までバレてしまう危険性を孕んでいるから、
物語を進めていくにあたっては確かに限界がありますもんね。
…そう来たか!と思いました(笑)
今回は全体的に飛ばしまくってましたねぇ。
杏(小畑乃々)に家族が泥棒一家である事を知らせたくない華(深田恭子)。
そんな2人のためにLの一族を継ぐと決心し、婚活にも本腰を入れて動き出した渉。
美雲に次々と証拠を掴まれてしまう和馬に、華との関係性を揺るがしそうな不倫匂わせパート。
いきなり発覚した蒲谷(松尾諭)の正体。
そして写真が撮られてしまい…次回へ。
まるで何話分もの山場を1話分で凝縮させたみたいな盛り込み具合。
“遊び要素"で言ったら…
和馬と2人っきりになる形で、美雲の恋が進展しそうな時には不穏な劇伴を。
和馬と蒲谷でガチ喧嘩する時には、青春ドラマらしい暑苦しい劇伴を流してメリハリを付ける。
松尾諭さんに関しては悪役の演技も見た事はあるけれど、
基本的にヘタレのイメージがあったから、本当に痛々しく聞こえる音を出すほどの
アクションも出来るとは思いもしなくて、ちょっと意外でした。
やり取りのカオス具合は勿論、台詞も今まで以上に
「特定の作品のワードをそのまま言わせる」と「連想させる」の2パターンによる
パロディ色が強かった気がします。(ママでも結婚!とかね(笑))
しかしまぁ…前から薄々感じていたんですが、続編になってから
物語の急展開っぷりと小ネタを披露する頻度が激しくなって来てるんですよねぇ。
ブレーキを踏む事を知らないと言いますか。
だから、そういう意味では退屈な時間がなくて全く飽きないし、
「続編=安全牌とは言わせないぜ!」という作り手の勢いが
映像に現れているのも分かるんです。
でも、今回ばかりは「おお?」と強く思ったので書かせていただくと…
先ほど「何話分もの山場を1話分で凝縮させたみたいな」と書いたように
話の要点が多い上に、小ネタも所々で詰め込んだ作りになっていたので
情報を追うのに必死な印象が若干勝ってしまった感じがしました。
もう少しシンプルにまとめて見せて欲しかったです。
蒲谷も、あっけなく退場しちゃった…としか思えなくて。
ただでさえ内容が濃いので、彼のくだりは今回でやらなくても支障はなさそうですし、
逆にあの形で処理するくらいなら本作に必要な存在ではなかったのでは?
という疑問も抱いてしまいます。
「何もやっても報われない者の気持ち」といった台詞が後に繋がる展開になると
まだ蒲谷というキャラクターを作った意味も出てくる気がしますが…さて、どうなるか。
次回は、前作で爪痕を残した田中みな実さんが再登場する上に
入れ替わりネタも盛り込むようで、コメディ面では満足出来そうですが、
今回の内容のさじ加減を見るとちょっと心配にもなってきました。
また、本作の面白味の一つである「刑事一家×泥棒一家の異色の組み合わせ」
つまり和馬とLの一族の絡みや、お宝を盗むシーンがなかったのも
“らしいようで、らしくない"と感じた原因なのかもしれませんね。
とにかく、巻き返してくれる事を期待しています。