ミス・ジコチョー〜天才・天ノ教授の調査ファイル〜 9話 感想|大多数の持つイメージを覆せるか?
芸能人が免許証を返納したニュースが取り上げられるくらい、
今年は高齢者による事故が多かったからなぁ…
凄く生々しい話でした。
「高齢者が車に乗るのは危険だ」「70過ぎたら返納すべき」という
イメージを作り上げたのはマスコミですが、そこに忖度はつけず、
リコール隠しによる暴走問題を題材として社会に一石を投じる作りは、
さすが、安心と信頼の調査力を誇るNHKドラマといった所。
仕事柄、真相を突き止めたくて動いていたとしても、
高齢男性の意見に無意識に耳を傾けがちな真奈子(松雪泰子)の気持ちは分かります。
自分のお父さんが同じような欠陥車に乗った事で死に至る…
「失敗を引き起こした具体例」をまさに目の前で見てしまっている。
当時は既に大人だったから、膨大なダメージを受けずに済んだかもしれませんが、
小さい頃に母親を亡くしてしまったとなると、運転出来ない事はおろか、
PTSDなどの精神的な病にも陥る可能性が高くなる。
失敗を繰り返したくない…という強い意志が動いたんですよね。
「また高齢者による事故か」で一括りにされないために。
揺るがぬ証拠に一歩近づくためにも、高齢男性がボケていないかどうか
弁護士か刑事のツテで拘置所で面会してみたら良いんじゃないか?とも思いましたが、
あのハキハキした喋り方からして、多分本人に原因はないでしょう。
ホストの件も、ただ遊んでいるのではなく、
最終回に向けて真相を突き止めるための仕込みをしているのかも。
大勢の人を巻き込み、日常で利用する道路をも巻き込み、
体を張って大規模な実証をしてみる姿は
最近のエピソードの中で最も「事故調」らしさが出ていた気がします。
被害者の息子の言葉「デスガイザーが来て、ママをひき殺したんだ」も
事件の鍵として描かれていて、
糸口が見えた時には、そこに繋がるのか!という爽快感もありました。
前後編なので本当に面白かったかどうかは後編まで見てみないと分かりませんが、
少なからず、4・5話の医療ミス編よりも間延びはしていなかったと思います。
清々しいラストを飾れるか?期待してます。