俺の話は長い 9話 感想|経験と年月を重ねて成熟して行くものさ。
其の十七「トンカツと占い」
高校に行かないでラジオパーソナリティになりたいと言い出す春海(清原果耶)。
早く背伸びしたい気持ちも分かるし、高校に入って何の役に立つの?と思うのも分かる。
でも…満(生田斗真)の言う通り、そこでしか経験出来ない事ってあるんですよねぇ。
高校進学は今や義務教育の延長線上になってますし、
周りからどう捉えられるかの"肩書き"にもなると思うのです。
顔は見えないし、普段友達や家族と会話するのと同じような事だからと
その夢を選んだ部分もあるのかもしれませんが、
リスナーが自ら「この人どんな学校出たんだろう?」とわざわざ調べなくても
言葉の表現や受け答えの仕方で自然と「学歴」って出ちゃうんですよね。中卒なら尚更。
高校、大学と通う学校が増えれば、それだけ人生における経験値も増えるし、
リスナーと共有出来る話題も増える。
うちの職場でもラジオが流れてるんですが、試しにいつも聴いてる番組のパーソナリティを
wikiで調べてみたら、みんなそれなりに名の知れてる大学出身の方々ばかりでした。
つまり、そういう事。ある程度の教養は必要って事ですね。
ラーメン屋で流れた「おじいさんが杖で相手の鼻の骨を折った」なんて投稿は
良い話というよりむしろ大丈夫か!?とツッコミたくなるものですが、
大勢が聞くラジオで投稿するくらいだから、リスナーは「これは誰かに話したいな」
「あんな事あったなぁ〜」と当時の出来事を思い出話に変えられた訳で。
そんな懐の深さも、年齢を経験を積み重ねて培われていくのだ…と
春海も最終的に気付けて良かったです。
ところで、とんかつのお肉の分厚さったら。
すっごい飯テロだったなぁ…家だと芯まで火を通すのは中々難しいんじゃないの?
食べられないでラップされるとんかつは気の毒ですが(笑)、
我が孫の一大事だからと最優先に動く岸辺家と秋葉家は理想の家族過ぎます。
満もなんやかんや言いつつ、結局しっかり相談にのってくれますしね。
春海は幸せ者です。うん。
其の十八「ラーメンとフリーマーケット」
駒野(杉野遥亮)の「小学校の初恋を引きずっている」も、
明日香(倉科カナ)の伝言「やれ」も超的確。
満も能天気に過ごしたいだけのニートではないし、働く気が全くない訳ではない。
ただ…プライド=理想が高過ぎるって話。
「いつまでもあると思うな親と金」もそうですが、
我が子を養う母親がずっと何十年も生きているとは限らないし、
やっぱりどこかでは自分で生活費を稼がなきゃいけない"時"は来るんですよね。
最初が良かったから次も…と求め続けて、
また失敗を繰り返したくないから、御託を並べて長い話をして「これは自分には無理」と
思い込ませる彼の姿は心当たりがあり。
ダメだなぁ〜と思いつつも、ちょっとグサッとくる話ではありました(笑)
でも、介護士の仕事の様子をじっと見ていたけれど、
それは ほんの軽い気持ちでは長続きしない職業の1つですからねぇ。
2度目も短い期間で退職しちゃったら再々就職は絶望的。
あっさり決めるのも優柔不断過ぎるのも体に毒…なお話でした。
最終回をどう落とし所つけるのか気になりますね。
家族的にも満の将来にとっても働きに出るのが一番なんでしょうが、
その反面、満にはニートでいて欲しい気持ちも少しあったり。
だって、家族間に流れる温かい、どこか懐かしい空気が好きなのに、
満は自立して、母親は秋葉家の所へ…なんて、バラバラになってしまうのは寂しい。
「俺の話は超長い」「俺の話はすごく長い」というパワーアップした続編が作られる
可能性がほぼゼロになっちゃうじゃないですか(笑)
今回は秋葉家が新築完成を待っている間、岸辺家に居候する…という設定があったので
時間軸も現在と同じで3ヶ月間ではありましたが、
本当は1年間で見ていたいですよねぇ。
夏休みとか入学・卒業シーズンとか、イベントはまだまだたくさんですし。