グランメゾン東京 6話 感想|愛の鞭でないと、一流にはなれない。
面白いなぁ。
芹田(筧一郎)なりの"本気"をメインに描きつつ、
それでいて尾花(木村拓哉)達一流シェフの料理に対する"本気"もさり気なく提示する。
一言で「群像劇」と括るのが野暮に思えてくるほど、
今回は今まで以上に骨太な人間ドラマになっていました。
誰かをピンポイントに取り上げる回となると
主人公が埋もれてしまう(あるいは裏方に回ってしまう)事が
この手のドラマにはありがちなのですが、
今までの回も含めて、本作は「尾花という絶対的存在がいなければ物語が成立しない」
「尾花がいて初めて人がステップアップ出来たという達成感を覚える」というのが
よく描けています。
サイドのキャラクターに見せ場を作りつつ、主人公が目立ち過ぎない程度に
存在感を出すのって、相当難しい技だと思うんです。
最初は厳しくしていたものが、実は芹田が裏で努力しているのを知り、
最終的には試す形で認めてあげる…といったツンデレ的な流れは
特段珍しくはないものの。
芹田の平古(玉森裕太)への嫉妬、早く追いつきたいが為の焦りと過ち、
そして、尾花達から一見冷たいような厳しい言葉をかけられても、
実はそれはただ料理の道に真っ直ぐ進み続けるプロからの"愛の鞭"だというのが
視聴者に伝わる調理シーンでの相談の描写など、様々な背景を見せてくれたお陰で、
「尾花達が芹田を認め、手を差し伸べる瞬間」には
芹田と同じように感情が込み上げてきてしまいました。
恐らく完結したと思われる(?)ナッツ事件の犯人以降も、
何やら久住(中村アン)の思惑、相沢の娘・アメリー(マノン)と奥さんの件など
日曜劇場らしい不安を煽る要素は相変わらず揃っていますし、
たまに物語の流れがトントン拍子になるきらいもありますが、
基本的には尾花達のリブート物語として興味深く見ております。
京野(沢村一樹)が「今の尾花は最強だ」と言っていたけれど、
木村拓哉さん自身も、最近出演されたドラマの中では
「天才キャラは健在でありつつも、チームメイトの魅力を引き立たせる柱でもある」
そんな一味違った面を見せる点で、今が一番最強なんじゃないかなぁ。
鈴木京香さんとの関わりも、何だかイキイキされてるように見えますし。楽しそう。