ハル 〜総合商社の女〜 1話 感想|人情で解決しないビジネスドラマが見たい。
好奇心旺盛な主人公・晴(中谷美紀)の個性を際立たせるためか、
向上心なし・積極性なしの経営企画部の面々で対立を図り、
でも一人だけは晴の考えに賛同する若者が…という構図はベタ中のベタといった所。
おまけに、ボス的存在の高山(奥田瑛二)の陰謀描写もベタ。
きっとそのうち、最初は反対していたものの次第に晴の仲間が増えて行く
展開にもなるのでしょう。
そんな感じで全体的に分かりやすい話ではありましたが、
唯一良かったとすれば、元気ハツラツでカラッとした性格で
周りをリードしていく主人公像が、
中谷美紀さんにしっくり来ていたという所だったかと思います。
しかし、何というか…リタイアした前作の「リーガル・ハート」と
同じ匂いがしてなりませんでした。
感動的な雰囲気を作る劇伴。人情による説得&解決シーン。
強気な提案をする割には、部長補佐になる程の(海外勤務の経験がある程の)
晴の腕前が不明瞭なままで終わった事。
今回の田村(田口浩正)の挫折から立ち直るエピソードは
同じ世代のサラリーマンだったら刺さる内容だったのかもしれませんが、
人間関係や置かれている環境で仕事に対する希望を失っていた者が
誰かに支えてもらい初心に帰る…という展開にはもう既視感はたっぷりあったので、
個人的には全然感情移入する事なく見終えてしまいました。
せっかくこの「ドラマBiz」枠で商社を取り扱ったのだから、人情で片付けるんじゃなくて
「商社の第一線で活躍する主人公のドラマ」が見たかったです。
肝心の商社の仕事描写にも期待したんですが、
ラーメンの原料・味"だけ"を計画で練り直して再復活を図る流れもリアリティが感じられず、
広告展開や販売促進は考えてないの?
それは商社の仕事ではないにしろ「企業と顧客の橋渡し的存在」として
広告代理店と打ち合わせする描写はないの?などと、
色々と疑問に思う点があったのも残念でした。
やっぱり、想像していた通り、この枠はもうネタ切れなのかなぁ…と。
もう少し様子見してみますが、期待度リストでも書いた通り、
今期から月曜日は諸事情で月9か月10のどちらかを書く事に決めていますので、
こちらは最後まで見たとしても感想は初回だけにします。