下剋上球児 7話 感想|無免許も野球もあっさり。大人たちの問題はてんこ盛り(苦笑)
※先週(11/26放送分)の感想です。大変お待たせいたしました…m(_ _)m
本作がどんな作品なのかと聞かれて答えるとするなら…
もうこれ、「誠実で熱心な教師(?)が訳あり生徒たちに
一対一で向き合っていく"学園ドラマ"」と
「過去のトラウマや問題を抱えながら生きる大人たちによる"群像劇"」のミックスに
なってしまってますねぇ。
いや、前者に関しては元々、高校が舞台である事、
(無免許云々は一旦置いといて)監督でもあり社会科担当の教師でもある
南雲(鈴木亮平)が本作の主人公である事、
そして、移動距離や勉学などで落ちこぼれ状態になりかけている生徒が多い事の
3つの設定があるから、"学園ドラマ"とわざわざ例えるのも変な話ではないんですが。
まぁ…何が言いたいかって言うと、部活外でのやり取りや
大人たちによる騒動を盛り込んでは尺を食っているばかりに、
「下剋上球児」というタイトルの割には、肝心の練習風景や成長過程は
まるで日めくりカレンダーのごとくあっさり描写されて。
いくら好意的に解釈しようとしても、
全然「弱小高校野球部が甲子園に初出場するまでの軌跡を描く物語」には
見えないのが頭を悩ませるんですね。
かつて、根室(兵頭功海)、日沖壮磨(小林虎之介)と向き合ってきた南雲が
今度向き合う相手は、留年危機に陥っているために退学を検討中の楡(生田俊平)。
南雲はもう1つ、目が見えてないのでは?と指摘したんですが…
コンタクトレンズショップでのわちゃわちゃした様子から
翌日の練習で劇的に上手くなるまでの流れがもう、CMに見えて仕方なくて(苦笑)
他にも、南雲がグラウンドにやってきて、さぁこれから本番だ!と思った矢先に
山住(黒木華)が熱を出すくだりとか、
犬塚(小日向文世)の目の病気のくだりとか、
今回も特段盛り込む必要のないサブエピソードが多過ぎました。
唯一の救いと言えば、各々の騒動をまぁまぁ早い段階で終わらせた所ですが…
それはつまり「今後の物語に影響するほど重要ではないから、
用意しなくても良いエピソード」とも言い換えられる訳で。
個人的にはそんな事よりも、南雲が監督として戻ってきてから
チームをどう強化していったのか、初対面の1年生との関わりはどんな感じだったのか、
どうやって部員たちの才能やスキルを伸ばしていったのか…の方を
じっくり見たい気持ちにさせられっぱなしでしたね。
あと、今回の話で最も腑に落ちないのは、
南雲が横田(生瀬勝久)とともに、学長・丹羽(小泉孝太郎)と対面するシーン。
一々クレームをつける犬塚に対して、
横田が「失敗した人間の背中、いつまでも蹴り続けて楽しいですか?」
「あんたは、いっぺんも失敗した事ないって言うんですか?
失敗を重ねて今があるんとちゃいますか?」と言いながら南雲を庇い、
最終的に丹羽に認めてもらうんですけど、
多分、世間的には「横田先生、優しい!」「感動した!」といった声が
多いシーンだったんでしょう。
でも…私はむしろ「え??」と思えてしまって(汗)
いや、間違いを起こした人間はいて当然ですし、
罪を犯した者に更生は許されない!なんて厳しい言葉をかけるつもりも
これっぽっちもないんですが…
正直、「本人も十分反省しているし、部員たちも南雲の監督復帰を望んでいるんだから
もう良いじゃありませんか」と許しを乞うて解決させるんだったら、
じゃあ、ただでさえ視聴者に受け入れにくい"無免許"を
初期設定に加えなくたって良かったんじゃん?という考えに辿り着いてしまうのです。
今までも無免許についてあーだこーだ書きつつ、それでも心の底では、
いずれ単位取得し忘れに気づいたエピソードが明かされるんじゃないか…
世間から冷ややかな目で見られながらも、
真摯な態度の積み重ねで徐々に認められていく様子が描かれるんじゃないか…
と期待していた部分もあったから、粘り強く顛末を見続けてきたのに、
まさか、こんなに綺麗サッパリ終わってしまうなんて。
とても「残念」の2文字では片付けられないくらい、ガッカリしました。
粘り強くと言えば、野球試合のシーンもそうなんですけど。
あくまでも「甲子園に出場」が本作のゴールだから、
最終回なら、尺をいっぱい割いてくれるんじゃないか…とは踏んでいるんですけど、
もうこのままの流れだと、部員たちの活躍ぶりに涙腺がやられるよりも、
「最初から部員たちにスポットを当てて描いてくれれば、もっと見応えがあっただろうに…」
と惜しむ印象の方が残ってしまいそうですね(汗)
ここまで来たので、最後まで見ますけども…。