家庭教師のトラコ 7話 感想|言ってる事とやってる事が滅茶苦茶じゃ?
トラコ(橋本愛)の体を借りて、世間について思っていた事バンバン言いまくるぜ!な
遊川節爆発の回でしたね。
正直言って、遊川さんの作品って、社会へのメッセージの盛り込み方や
登場人物の心情変化の描写に(個人的には)どことなくズレを感じる事が多くて、
苦手な印象を持っていたんですけど。
でもそれはそれで、"作風"だから…と好意的に捉えれば、
「こんな世界線もアリなのかもな」とか、主人公の考えに同情してみたくなる…とか
そう思いながら見られる所はあったし、何だかんだで心にグッとくる台詞もあったんですよ。
ただ、本作の主人公に関しては、熱意も考えも全くピンと来ません。
なんか…貧困や教育費や軍事資金といったワードを並べ立てて
すんごい大規模な話をしてましたけど、
今までの内容を見る限りだと、目的とやっている事が噛み合わなくて
矛盾だらけに感じてしまったのは私だけですかね??(苦笑)
例えば、犯罪を強要したり、実際に犯罪を犯して家族を酷い目に遭わせたり、
母親を精神的に追い詰めたり、酷い言葉をぶつけて傷つけたり。
ドラマだから、最終的には結果オーライで終わるんですが、
「正しくお金が使われる世界を作りたい」と訴えている割には
黒に近いグレーゾーンの言動ばかりしているので、
えっと…???なんて困惑した状態で最後まで見終えてしまいました…。
どう見ても「正しいお金の使い方」は教えていなかったでしょう。
そして、トラコが持っていた、母親のメッセージが書かれた紙ペラと、
「子供の教育よりも自分の事で頭がいっぱいになりがち」が共通点の3人の母親からして、
トラコが3つの家庭に近づいた動機は復讐から来ているんじゃないかと
考えていた節もありましたが、
今までの秘密が暴かれるであろう今回では一切触れられず、そこもモヤモヤ…。
今後それについてしっかりした理由が明かされるのかどうかは不明ですが、
今回の内容だけを見たら、"たまたま"近くにいたから
そこの家庭教師になったとしか思えません。
うーん…本当は政治家になりたくても高卒で不可能に近かったから、
いろんな人と関わるのに手っ取り早い家庭教師を選んだって所なんでしょうけどねぇ…
あんなに立派な考えを持っているなら、気持ちを直接届けやすい政治家家族の担当を
1組でもなぜ受け持つ設定にしなかったのか不思議ですし
(そうすれば、政治家と一般人でお金への意識の違いも浮き彫りになって面白味が増しただろうし)、
そもそも、当時財務省勤務だった福多(中村蒼)のツテを使った方が
「正しくお金が使われる世界」を実現させる近道になったのでは?という気もします。
収入が600万の人よりも、収入が300万の人の方が幸せだって結論もなぁ…
独身か扶養家族か、休みなしのブラック企業か休みが取りやすいホワイト企業かで
人や職種によっていろいろ変わってくると思うので、そこも腑に落ちませんでした。
今までの作品だと、回を重ねるごとに微妙になっていく中で、
本作は4,5話で盛り返して「もしかして良さげかも?」と期待していた部分もありましたが、
何だか前回から迷走しかけている感は否めませんね。
今回は「家庭教師の主人公」という設定がなくても成立しそうな話でしたしね…(汗)
別の物語を見ているような感覚でした。