アバランチ 10話(最終回) 感想|皆の心にアバランチがいるかもしれない…で完結。
監督が監督だけに、映画でも作れそうな匂わせシーン満載だったけれども…
それと同時に、「何かを信じ続ける事が、世間を動かすきっかけになるかもしれない」という
本作らしい着地点に落ち着いた最終回でもありましたね。
本作の登場人物の場合、「〇〇なら大丈夫だと信じたい」
「些細な日常が続く事を信じたい」「国民の声を信じたい」などと、
今まで培ってきた関係性や自身の意思、誰かを信じる(尊重する)事で
目の前の試練を一歩ずつ乗り越えてきたし。
私たち視聴者の場合、「桐島が実は良い人だと信じたい」
「記者が動いてくれると信じたい」「総理が助けてくれると信じたい」などと
アバランチに接近する人々の動向をポジティブに捉えては、
最終的にそれが実現された事に喜びと爽快感を見出してきた。
もちろん、打本(田中要次)が退場してしまったように
信じる事で"必ず"全ての物事が良い方向に転がるとは限らないし、
生配信を見るSNSユーザーのくだりも含めたら…
巨悪である大山(渡部篤郎)を制裁して勧善懲悪エンドでも、全員無事に生き残ってハッピーエンドでもない
中間の終わり方になったのは、本作にとって相応しかったんじゃないかと思います。
ただ、「信じる」をメッセージとして残すんだったら、
これまでのSNSユーザーの描写が安直過ぎたのではないかな〜と感じたのも事実。
情報を鵜呑みにしない立場に記者はいたけれども、
一般人の方で異論を唱える呟きを見かけなかったのは…。
少なからず、膨大なツイートの中に紛れさせて、1つの呟きに複数のユーザーが反応して
盛り上がっているカットがあるだけでも十分だったんですけどね。
個人的に前半の制裁パートがイマイチしっくり来なかったのはそこにあって、
羽生(綾野剛)が指名手配犯になったら誹謗中傷の嵐になるわ、
逆に正義のヒーローになったら感謝するわ、崇拝に近い呟きを残すわで、
果たして国民の声をそんなに極端に偏らせる必要はあったのか?は気になりました。
あと、信じる関連で言えば…藤田(駿河太郎)が大山側に就く意図もよく分からなかったかなぁ。
3年前の偽装テロが、当時大山(渡部篤郎)の指示の上で
実行されたものだったのにはガックリ(これは主に藤田に対して)。
前回の感想でも書いた通り、大山の内情を探るためにスパイとして接近しているのかと思ったら
そんな訳でもなさそうだったし、ラストも何をしているのか不明瞭で終わったし…
感情の赴くままに動く羽生と対比するために登場させたにしても、
彼を上手く扱えないまま、中途半端に終わってしまった感は否めません。
そういう事で、"本作らしさ"を考えたら上手くまとまった印象はあるものの、
スッキリはしなかった…というのが
最終回を見終えた率直な感想ですかね(笑)
相変わらず過去のエピソードを ほぼそのまま流しているのを繋ぎ合わせたみたいな
某特別編で1時間割くくらいだったら、←また言うでないw
本作を2時間にしてもうちょっと"その後"を見せて欲しかったな〜という気持ちは変わらず。
でも、大山の静かなぐぬぬ顔を堪能したり、
制限付きのアクションシーンでドキドキさせられたりで、
最終回まで緊張感を保ちながら見られたのは良かったです。
あのOP映像が見られないのも寂しくなりますなぁ…。
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