半径5メートル 8話 感想|安易に踏み入れてはいけない世界だねぇ…

 

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しんどいねぇ……………

就職氷河期というワードは全く知らなかった訳じゃないけど、

今回の話を見るまで解釈が違っていた私も反省。

何となく、「厳しい時代を勝ち抜いてきた社会人」を指すもので、

荒波に飲まれながらも何とかして安定した生活を送る事は出来ているんだろう…なんて

思い込んでいた部分があったんですが、実際にはそういう人達は一握りしかいないんですね。

 

取材する側の"知る"覚悟がないと、踏み入れてはいけない世界。

脆くて繊細な心を"強がり"で覆い隠しながら生きる阿南(須藤理彩)と須川渡辺真起子)。

その2人の懐にズカズカ入り込んでいく風未香(芳根京子)の危うさと、

後に自身の言動がどれだけ愚かだったかを知るまでの成長を見守ったお話でした。

 

私も彼女と一緒で、名刺についての言及がなかったら、

宝子(永作博美)に実際に足を踏まれていなかったら

2人の真意には気づけなかったかもしれないし、

阿南先生には同じ行為をしてしまったかもしれないなぁ。

風未香と会うのを嫌がっていた件、最初は記者だと聞いて、

過去に他の出版社の記者から取材があったものの

デタラメな内容を書かれたトラウマを抱えていたから避けたのかな…なんて思っていたけど、

マウントをとられ続けているのに傷ついたのだと分かった時には

ハッとさせられてしまいました。

本人は小さい頃に支えてもらった恩返しのつもりでやっているのが伝わるだけに、

その想いが向こうに全く届いていないのは…辛いです。

 

でも、取材内容を削除した事に関しては、今まで「半径5メートル」を通して

自分の知らない価値観の多様性に触れてきた風未香にしては

配慮が足りなかったんじゃないか?と、そこには引っ掛かりを覚えたかな。

キッツい人だな…怖いな…過激な発言だな…と思うのは分かる。

怯んでしまうのも分かる。

ただ、彼女の場合、取材対象者の実態を暴いていく仕事なので、

おそらく就職氷河期の真っ只中を過ごしたであろう二折のメンバーに相談せず、

貴重な発言の要不要を、当時を何も知らない人が自己判断で決めるのは

ちょっと腑に落ちませんでした。

 

けれども、最終的には宝子のナイスなサポートのお陰で救われましたね…

差し入れの肉まんを食べる時のフーミン、可愛かったなぁ。

白Tのラフな格好、高めのポニーテール、子犬みたいな鳴き声で頬張る姿…

童心に帰ったような彼女の様子を見て、こちらも安心させられます。

頼もしい上司が身近にいて、本当に良かった!

 

今回の話だけでは解決出来ない問題かもしれないけれど、

就職氷河期の人々は、今の時代においてはある意味マイノリティでもあって。

彼女達に向けられた視線や、置いてけぼりにされた心境を

可視化して分からせる役割は果たせられたのかと思います。

 

そう言えば「パトワ」は、頭の文字や韻踏みからして"アレ"の事ですね(笑)

際どい名前つけちゃって…凄い度胸だな…。