珈琲いかがでしょう 6話 感想|人を大事に思うということ
今回のエピソードは「たこ珈琲」の1本のみ。
コーヒーを飲みに訪れたお客さんから語られる事情や思い出を身を任せながら聞いて、
何か助言を送りたくなったら直接的な表現ではなく、
コーヒーに絡めて、的確かつささやかなエールを贈る
青山(中村倫也)のスタイルが好きで本作を見ていましたが、
そうなったルーツはたこ(光石研)の人柄にあったのか…というのがよく分かった回でした。
朝食で何を食べたのか覚えていないほど大した物を食べていない、
今のままじゃ心の余裕なんて持てないと言う青山に対して
いつもどんな仕事してるんだ?と聞くのでもなく、
顔に怪我を負っても何があってそうなったのかを聞くのでもない。
あくまでも、美味しいコーヒーを作りたいという彼の意志を尊重し、指導し、
彼が本音を漏らすまでゆっくり待つ。
そして、本音を漏らしたと気づいたら、自分の意見や考えをコーヒーに絡めつつ、
徐々に語り始める形で支えていく。
「私はこんな生活だけど、自分が大事だ。仲間も大事。」
「(省略)でもね、私。あんたの事…今、大切に思ってるよ。」
コーヒーを時間をかけて味わうように、1つ1つ言葉を選びながら
柔らかな表情で想いを伝える役が、光石研さんに合い過ぎて泣けてきます…。
でも、今まで誰かに大切にされる事を知らなかった青山にとっては、
その言葉は自分の中に異物が混り込んだように衝撃的なもので、
どう受け止めれば良いのかが分からなくなった結果、
たこに暴言を吐いたまま去ってしまいます。これが最期の会話でした。
人を大切にしろと言われながら、目の前の人を大切に出来なかった。
あの時の出来事は背負うべき十字架にもなり、人生のおいての教訓にもなった。
後悔を抱えた青山は、特に継いでくれとも頼まれていない
たこの微かな夢であった移動珈琲屋を開き、
彼から教えてもらったコーヒーをいろんな人に届ける人生を選んだのは言うまでもない…。
今回のエピソードを知るまでは、過去と現在のあまりにも大きな変貌に
なんでここまで別人になっちゃたの!?という驚きがありましたが、
青山の話を聞いてからは、お客さんに対して優しく接しようとするのも
当時の"決意"から来ているんだろう…と頷けました。
しかし、ぺい(磯村勇斗)との確執が生まれた原因も明らかになって
ここで過去編は完結!と思いきや、まだまだヤクザ達が絡んでくるみたいです。
3代目ってあんな可愛らしかったんですね。いや、逆に可愛らしいから怖いのか。
ぺいもやっぱり良い人らしいのが、3代目・ぼっちゃん(宮世琉弥)の台詞
「あいつの事大好きだから、寝返りでもするんじゃないか心配してたんだよ」で判明しましたが、
彼も自分の想いに正直になって、コーヒーに救われて
いつか垣根(夏帆)も入れてみんなで珈琲屋でも開けたら良いのにな…と
思ってしまいますね。
さすがにこの妄想は甘いのかもしれませんけど。でも、ハッピーエンドであって欲しい。
で、この間調べ物していて分かったんですが、本作って残り2話なんですねぇ。
てっきり、深夜の時間帯に放送=全12話だと思い込んでいたので、
なんか…凄い急な感じ(笑)
元々月曜22時の「ドラマプレミア10」が時間移動して本枠になったから、
それだけ話数が少ないのもおかしくはないのか。
その前の「ドラマBiz」枠も含めると、基本的に7話か8話で終わりでしたからね。